*及岩物語
□諦める理由が欲しいだけ
1ページ/3ページ
いつかは離れなきゃ、
いつかは諦めなきゃ、
いつかは覚悟を決めなきゃ、
この“いつか”を抱えながらも見ないフリをして
俺は岩ちゃんの隣りにいた。
考えたくないし認めたくもないけど
その“いつか”は少しずつ確実に近付いてきている。
中学の時はまだ安心だった。
高校の時は何度か危ない時はあったけど全て阻止する事が出来た。
けれど、
高校を卒業して大学に進学して社会に出たら……?
大事な人を見つけてしまったら、
大事な人と出会ってしまったら、
気持ちを伝えないと決めた以上
俺は応援して協力して祝福しなければいけない義務がある。
だったら、
どうか、せめて、少しでも
「岩ちゃんが結婚するならさ」
「は?」
すっぱりきっぱり諦められるように
俺とは正反対の子を選んでね。