*国金物語
□制限時間は3年間
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「国見ってさ、好きな奴いる?」
「何だよ急に」
「いや、クラスの女子に聞いて欲しい、って言われて」
「……………」
中学の時からそうだ。
同じクラス、同じ委員会、同じ地域…
何かと周りの女子は俺に言わず金田一に言ってくる。
まぁ、俺が女子でもそうするだろうな。
話しかけやすいし人の良さが全面に出てるし…
事実、バカ真面目にこうして聞いてくる。
そんな質問なんて適当に流してしまえばいいのに。
無言になった俺を機嫌が悪くなったと勘違いしたらしく
「言いたくないならいいんだけどさ。
そういえば俺も聞いた事ないなーと思って」
俺に対してかクラスの女子に対してか、何とも微妙なフォローをしてきた。
金田一の事だから多分どっちに対してもだろう。
今までは「興味ない」とか
「タイプじゃない、って言っといて」とか
適当な事言ってたけど、
「いるよ」
「えっ!?」
少しだけ試してみたくなった。