*国金物語
□俺でいいじゃん
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「そういえばさー、この前話したバスケ部の奴いるじゃん。
あいつ彼女できたって」
「へー」
「いいよなー」
「金田一も彼女欲しいの?」
「そりゃいないよりいた方がいいだろ」
相変わらず鈍感だな。
何かムカついてきた。
「彼女と何したいんだよ」
「え?…一緒に帰ったり」
「俺と帰ってんじゃん」
「…休みの日は遊んだり」
「俺と遊んでんじゃん」
「部活の応援してくれたり」
「俺はむしろ一緒に戦ってるけど」
「………
手とか!手をつないだりさ!」
あ、テンパってきてる。
でもムカついた原因を作ったのはお前だ。
本気で嫌がるまで攻めてみるか。
「ほら」
「…っ!」
こいつの手って何で冬でも温かいんだろ?
「後は?」
「後は………?」
「手をつないだ後にする事は?」