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□ディーノと書いて前向きと読む
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約5000もの組織を束ね、マフィア業から不動産業、アパレル業界に機械産業と
数え上げればきりのない多種多様の業界参入。


全ての分野で利益を上げ、その活躍は多岐にわたる。



そんなキャバッローネの頂点に立つ人間は並大抵の精神力では成り立たない。



知力、体力、言語力、対人力、統率力……


総てを兼ね備え、キャバッローネを現在の地位にまで確立させた人物。


その精神力の高さは計り知れない。




「でさー俺が応接室入ると『待ってたよ』って言ってくれるんだぜ」


「戦いたいからだろ」


「もう帰るぞ、って言っても帰りたがらないし」


「戦いたいからだろ」



「帰り際には『明日は何時に来る?』とか聞いてきてさー」


「戦いたいからだろ」



キャバッローネを背負う人間として器の大きさや打たれ強さは必要だが
ここまで前向きなのはいかがなものか。



来日する時は新米の部下は連れてこない事にしようと緩みきったボスを見て心に決める。



「なーロマーリオ!聞いてるか??」



「はいはい、もうすぐその恭弥のいる並盛中学校に着くぞ」



キャバッローネの今後が些か心配だが家庭教師と称して
こうして並盛中学校を訪ねるようになってからさらに利益を出している。


理由はボスの仕事の早さ。



少しでも早く会いに行く為、これまでにないほどのスピードで商談や会議をまとめていく。



「あ!恭弥だ!」



中学校の正門前。
風紀委員に何か指示を出しているボス曰く「とっても可愛い恭弥」の姿が見えた。



こちらに気付き、すっと目を細める。


明らかに敵意剥き出しの微笑みだが

「見たかロマ!恭弥が笑った!
あ、でもやっぱり見るなよ!」

一人はしゃぐ姿に
これでまたキャバッローネの経済状況が潤うならしばらくはこのままでいいかとも思う。



待ちきれないと言わんばかりに車を降りて駆け出していくボスを見て携帯を取り出す。



気難しい取引先との商談や面倒な会合は今のうちに済ませてもらおう。



本拠地で仕事に追われている部下に電話をかけた―

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