小さな恋の蕾(夢)
□2の蕾
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「…………で?アンタこんなとこでなにしてんの?」
あれから軽く身支度を整え屯所を出て、まっすぐスーパーに向かいマヨネーズを20本ほどカゴに詰め込み現在はレジにて精算中。
そこで私は疑問を抱いた。
目の前で、レジのカウンターに立っている一人の男。
万事屋銀ちゃんこと、坂田銀時に。
「なにってお前、見りゃ分かんだろーが。アルバイトだよアルバイト。最近万事屋の仕事だけじゃ金になんなくてなー。家賃もだいぶ溜まってるし、ツケも払わなきゃいけねーし大変なんだよいろいろ」
なーんて言いながら頭をかいている銀時。
え、コイツってこんなまともな奴だったっけ?
いっつも家賃もツケも踏み倒してのうのうとパチンコ行ったりパフェ食ったりゴロゴロしてたりするスペシャルなプー太郎じゃなかったっけ?
どっか頭でもぶつけたか?悪いもんでも食ったか?
とりあえず……。
「雨と嵐と吹雪と天変地異の対策をしとかなきゃ」
「最後の明らかにおかしいよね!?天変地異の対策って何?別の星にでも移り住むつもり!?ていうか雨と嵐と吹雪って一緒にこないよね!?この3点セットおかしいよね!?つーかテメー俺のこと馬鹿にしてんだろ!?」
「あ、わかった?」
「テメェ……」
拳を震わせながら低く唸る銀時に、いいからはやく精算してよと言えば、銀時は渋々といった感じでカゴの中身を手にとった。