小さな恋の蕾(夢)
□10の蕾
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「てかさ、私食堂に来てよかったの?」
そう尋ねれば、スモーカーはなんのことだと言いたげに眉間に若干のしわを寄せた。
うん、スモーカーとかまったく付き合い長くないけどなんとなくわかるんだよそういうの。なぜなら……。
「副長そっくりだもんなぁそういうとこ……」
まぁまだ副長の方が可愛気があるというか、ここまで真面目な感じじゃないんだけどね。マヨラーだし。
「副長?」
タシギちゃんが聞き返してきた。
「いや、そこ気にしないでいいよ……。ほら!なんかさっきさ、スモーカーが言ってたじゃん?部屋から出ていいのは必要最低限だけだって。だから、食事も誰かが部屋に運んでくるもんだとばかり……」
そこまで言うと、スモーカーが今度は呆れたように溜息を吐いた。
「何を今更言ってやがる。てめぇは既に勝手に部屋から抜け出してただろうが」
「いやだって、普通あんだけ外で騒がしい声がしてたら、誰だって覗きたくなるでしょ?天照大御神だってそんな感じで岩戸の扉開けたじゃん!!」(←それはあくまで神話です)
「というか、どうしてスモーカーさんの名前を知ってるんですか?」
再びタシギちゃんが私に尋ねた。