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□3 〜いよいよ?〜
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< ロー 視点 >
医学書を開いてはいるが、そこに視線を落とすことなく考える。
闇につながるという海賊団。
バックにいるのは恐らく・・・。
その海賊団が、この島にいる理由は?
俺たちが この島に寄るという情報など、奴らにとっては簡単に知ることが出来るハズだ。
だが、俺はまだ ”事” を起こしていない。
信頼しているクルーのペンギンにも、詳細は話していない位だ。
今までの奴らの情報を整理してみても、真意は思い浮かばない。
ただの情報収集のためか?
久しぶりの上陸で浮かれまくっている シャチらのバカ騒ぎで、奴らと一戦交えるのは厄介だ・・・。
この静かな空間に後ろ髪を引かれつつも 膝の上にただ載せていただけの医学書をソファに置き、俺は 酒場に向かう事にした。
考えは何一つまとまらぬままだ・・・。
舟番に声をかけ、船を降りる。
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肩に掛けた刀の音もさせず、着地音も響かせることなく飛び降りるロー。
すっかり暗くなった道を、酒場に向かって歩く。
そして、あの女に声をかけられた・・・。
『私を殺して。』と・・・。
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< ロー視点 >
・・・・・
酒場に向かう途中で、女に遭遇した。
何処と無く漂う雰囲気に、危うく飲まれそうになる。
殺して欲しいと言ったはずの女は、なぜか殺気を纏い攻撃を仕掛てきた。
ただジッと、死を待つタイプでは無いのか・・・
腰に下げた、皮のホルダーから細身のナイフを出し、両手に構え俺を狙う。
そんなもんはあたらねェ。
それより、お前は何者だ?
・・・早く知りてェ。
女の攻撃から繰り出されるナイフを、首を傾げるだけの軽い動作で避けながら、女との距離を詰めて行く。
そんなナイフでは接近戦は不利だろう。
あと数歩というところまで迫った時、突然女が懐に飛び込んできた!
捨て身か?
その手にはナイフは握られていない。
「っ⁈‼︎」
伸ばしてくる手のひらから、異様な気配がする!女と目が合うと・・・・・・笑いやがった!
「チッ! ROOM! シャンブルズ」
数メートル先にある木の樽と 身体を入れ替え移動する。
投げていた
ナイフはダミーか!
こいつは接近戦をさけていたのではなかったのか?
「能力者か・・・。」
何の能力だ?
問いただそうとした時、
女の後ろから声が響いた!
「「「いたぞっ!!!」」」
十数人はいるであろう気配と、足音が聞こえてきた。
それは徐々に人数を増す。
『残念・・・ありがとう!久しぶりだわ。こんな気分・・・。また会いたい・・・』
「オイッ!」
『銃弾に気を付けて!』
そう言うと、暗がりに消えた…
銃弾?
追われているのか?
女の事を考えていると、
集まってきた奴らが
《ズッキューン‼︎》
撃ってきやがった。
すぐ脇の木の幹に当たった弾から嫌な気配がする。
コレは!海楼石の弾か・・・。
厄介だな。
姿を見られないうちに、俺も消えるか。
素早く近くの建物の屋根に飛び乗り、屋根伝いに街中へと向かった。