□3 〜いよいよ?〜
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< 名無しさん視点 >



絶望し、このまま終わりにしようとさえ思っていた私の意識を揺さぶり起こした気配。




・・・その先にいたのは、一人の男だった。




ただならぬ雰囲気をもった男。




その男に私から声をかけた。









わずかに言葉を交わしただけなのに、何故か 胸が高鳴る。






自然と、動く身体。

腰のホルダーに手をかけ、ナイフを構える。



私から、

攻撃を・・・




さぁ戦闘開始。




この男なら・・・・







男の顔を狙いナイフを投げる。
私の投げるナイフを軽やかにかわし
余裕の笑みで近づいてくる男。






あぁ、貴方なら私の能力を受け止めてくれる?

貴方なら・・・







貴方は、私を どうしたい?






考えれば考えるほど、貴方を知りたくなる。
私は距離を詰めてくる男の懐に飛び込み、


・・・・力を解放した。



私にとって重い枷としか思えない力を・・・。



私を、もっと見て!



手を伸ばし、掌を男の前にかざす。

あらっ?



先程まで目の前にいた男が木の樽に変わった。


『貴方も能力者だったのね。』


数メートル先に移動した男に向かって呟く。


その時、


その言葉を掻き消すように、背後から声が響いた。




「「「オイッ!いたぞっ!」」」





・・・邪魔が入ってしまったわ。


力を使うと居場所がバレてしまうの。

彼等は何処までも私を追ってくる。

『残念・・・ありがとう!久しぶりだわ。こんな気分・・・。

(また会えるかしら
いえ、私から会いにいく!)

また会いたい・・・』




「オイッ!」




彼等には捕まらないで
名前は?
貴方の名前が知りたい。



『銃弾に気を付けて!』


聞きたいことは沢山あるけど、彼等に捕まるわけにはいかないの。
今は、ここから離れるわ。



私は、暗闇に身を隠した。




気配を消すのは得意。
消すというよりは
気配を完全に殺してしまうのだけど。








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< ロー視点 >



屋根を伝い、街中へ入り裏通りを目指す。
そこにクルー達がいる酒場がある。


地上へ降り、目印に聞いていた看板を左に曲がると、



「この騒ぎは、船長 あなたですか?」

と、ペンギンに声をかけられた。



外の騒ぎに気付いたペンギンだけが、酒場からでて俺を待っていた様だ。


「フッ俺ではない。と言いたいところだが、巻き込まれたのは事実だ。」


その余裕の顔は、既に何か掴んでいるんだろう?


「ペンギン、知っていることを話せ。」



「ブレーイン海賊団のこの島での目的が分かりました。」



「⁈‼︎」



「この街で、ある能力者を探しているようです。」


「ある能力者?」


「能力については、突き止めることは出来ていませんが、誘き出すためにあちこちでトラップを仕掛けているという事と、標的は女という事です。」


「女か。」


あの女、能力者だったな。
女を追いかけていた奴らがブレーイン海賊団か。

奴らは、特殊な海楼石の銃弾を使った。
女もそれを知っていた。



どうやら、本気で仕留めたいらしい。



・・・
・・

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