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□四十三話
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鬼道と刀の攻防
お互い手加減している。
ラチがあかない。
それにしても…八束は完全に手を抜いている。
まぁ…俺もだが。
本気なんか出したらここがタダじゃすまない。
それでも、俺はこの試合勝たなきゃならねぇ。
本戦に出る、それが任務だ。
本気の戦闘なら、勝敗はどうなるか分からねぇが今回は八束が手を抜いているという状況。
そしてアイツは俺も手を抜いてやり過ごすと思っている。
そこを突いて勝つ。
「これで終わりだ。」
何となく聞いてたが、八束は単純だ。
俺の誘導にまんまとかかりやがった。
「さむっ!」
ただでさえ寒かったのにさらに気温が下がる。
呑気なもんだ。
「六位氷結陣」
凍傷ぐらいにはなってるかもな。