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□四十四話
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六衣氷結陣
氷の結晶をあらかじめ仕掛けて置き、陣に踏み入れたものを氷柱で包み込む技
始解の状態で更に一番力を押さえた状態だから、八束が死ぬことはない。
だが、これで試合は決まった。
「審判、俺の…」
「誰の勝ちだって?」
一気に氷柱の柱が崩壊した。
中から出てきたのはもちろん八束
不敵な笑みに、舌打ちをしたくなった。
「大人しく負けてろよ。」
「舐めるなよ小童。」
八束はまだ刀を抜いていない。
刀無しで俺の技から脱出したのか。
こうして力量の差を思い知らされる。
かつて、市丸のことを見抜けなかった時のように。
俺は八束が苦手だ。
全てわかっているような面で自己犠牲に勤しむ。
あの後の京楽は酷かった。
あれはただの逃げだ。
「俺は自分の任から逃げない。」
「何?」
「氷輪丸!」