私のわんこさん
□きっかけ
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そんな私達の距離が一気に縮まったのは祐の一言からだった。
「あー、ほんと、俺唄雨みたいな嫁ほしいw」
「え、苦労するよ?w」
「や、気遣いできるし、料理できるんやろ?もう完璧じゃんw」
いつもみたいに軽い、冗談みたいな会話。
「じゃあ祐もらってよ笑」
私もいつもみたいに軽く返した。
「え?いいの?」
「俺、結構本気で言ってるよ?」
どきっとした。
いつもみたいな軽いノリじゃない、顔文字も絵文字もないまっさらな文。
「うん」
どうしたらいいかわからず、うん、とだけ返事をする。
「それくらい、俺唄雨のこと好きだよ」
「私も、祐のこと、好き」
「じゃあ、改めて」
「唄雨が好きです。付き合ってくれませんか?」
7個も年上なのに、初めて告白するような、学生みたいな告白。
「喜んで」
嬉しくて、ほんとはすごくドキドキしててにやにやが止まらなかった。
「うあー!緊張した笑」
なんてまたいつものノリ。
私は心臓ばくばくいいっぱなしですけど!?
「これからよろしくね」
「うん」
新しいスタートを切れた気がした。
でも私はまだ知らなかった。
これからどんどんハマって、抜け出せなくなることを。