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□膝枕
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あれ、俺寝てたのか。
だがリビングで寝る時って大体自分の腕を枕にしてるはずなのに、妙に柔らかいし腕も痛くない。
「…マナ?」
少し目を開けるとそこには愛しの妹の姿が。
「あ、お兄ちゃんおはよー」
「…おはよう」
起きてすぐ愛(マナ)の顔が見られるなんてなんと幸せなことか。…あれ、もしかしてこれって。
「…わざわざ俺のためにありがとうな」
愛はわざわざ俺のために膝枕をしてくれていたのだ。
妹の中の妹だよなぁ。
「えへへ」
「全く。忙しいくせに無茶しやがって」
「いいよ。こうやってお兄ちゃんのそばにいるの、すっごく幸せだから」
愛は天使のように…まあ天使だが…優しく微笑み、俺の髪を撫でた。
「…そっか」
俺は撫でてない方の左手を握り、
「…たまには撫でられるのも悪くないな」
いつも俺が愛や六花の頭を撫でてたからそんなことを呟くと、
「たまには撫でるのも悪くないですな」
愛もおんなじようなことを言ってきたので、顔を見合わせて笑った。
「マナ、足痺れたろ。そろそろ…」
俺は体を起こそうとするが、
「駄目っ!もう少し、このままでいて…」
愛に押さえつけられてしまった。
「マナ…」
「お兄ちゃん…このままずっと二人っきりでいたいな」
「…そうだな」
俺は手を伸ばし、愛の頬を撫でる。
愛は俺の手を握り、甘えてるのに大人っぽい笑みを浮かべた。