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□届ケタイ愛ト反比例シタ僕ノ吸欲†SHU編† T
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ガターーーン!!!

放課後、
2年生のクラスのある廊下を気だるく歩いていると
イヤホンで音楽を聴いていても分かる
大きな雑音が耳に響いてきた。

『、ん..五月蝿い....。』

ため息混じりに
整った顔がしかめられる。
はあーーー。
またも、自然とため息がでる。
つけばつくほど幸せが逃げていくと
よく言われるが俺には人間のいう理屈じみた言葉が
よく分からない。

もし、逃げてしまうようなら
逃げれないように、してしまえばイイことだ。

..本当、人間って愚かな生き物だな…フッ

なんて、思いながら
いつの間にか
アイツの教室にたどり着く。


…ん?
ふと、いつもと違う空気を感じとる。
少し教室の中が騒がしいようだ。
俺は、躊躇なく扉を開けて
中に入っていく。
目に飛び込んできたのは
何故か一ヶ所に固まり
群がっている人々。
その中には
アヤトとカナトも見える。

「おい!どうした、チチナシ!!!」

「‥…あれ?ユイさん??...死んぢゃったのヵナ??
...ねぇ、テディ??フフフッ....。」

クラスの奴らが騒ぐ中で
その耳障りな言葉だけが
ハッキリと届いてきた。


"あぁ...。..イライラする。"


様子を見るに
またアイツは貧血を起こして
倒れたらしい。


はぁー。
またも、ため息が漏れる。
ふと、視線を感じ
周りを見ると
俺の存在に気づいたのか
他の女どもが、頬を赤らめながら
何か言いたそうに
近寄ってくる。
…モノも居れば、よく見ると
遠くで眺めているモノも居る。



..フン。

ついさっきまで
コイツを心配していた奴らとは
思えないな。少し口元が緩んだ。

俺はそんな奴らの視線を無視し
倒れている彼女に近づく。

顔の色が真っ青だ。

『…。あー...めんどくさい..』

はあ―――――ーー…。
同時に
今日一番の長いため息が出た。
一度反らしていた目を
もう一度彼女に戻し「はぁー」と
また、ため息が漏れてしまう。


『…‥。オイ..じゃま。』

まだ彼女にまとわりついていた
アヤトとカナトを蹴散らし、
イライラしながらも
ユイをやさしく持ち上げる。


キャーーー!!!!!
周りで羨み、騒ぐ女どもを無視し
机の脇から強引に彼女のカバンを奪い
片手に、そのまま出口に向かった。



…‥。

「あーあ。いっちゃいましたね。アヤト…。」
「..チッ!!つまんねー。
つか、あのダル男が"お姫様抱っこ"って!..ハッ、ククッ。
…珍しいモノ見たぜ━━━━‥。」




そんな会話を遠くに教室を後にした。
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