REQUEST

□ばいばい。
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「たっくんのばーか…」





私がつぶやいたコトバは一人残された玄関に吸い込まれていった。















私がつぶやいた理由はほんの数分前に戻る。








***




「たっくん!おかえー…っつ!?」



たっくんが黒執事で着てた、グレルのベビードールの衣装を見にまとい、おかえりとともに驚かせようとしたら目の前にはお客さんが数人。そしてその後ろには気まずそうにしてるたっくんがいた。



「えっと…。」

さすがにたっくん以外の人にこの姿を見られるのは恥ずかしすぎる…。


「卓也くんのいもうー…彼女さん?」

目の前にいた女の人(…吉川さんだったっけな…?)が言い直す

酷いなぁ…いくら童顔でも立派な大人だよーだ!



「すまん。ちょっと先にリビング行っといてくれ…。」


たっくんがみんなをリビングに送り出して玄関に残った私たち。




照れ臭くて下を向いたままたっくんに謝る。

「…えっと…たっくんおかえり!ごめんねっ!いきなりこんな格好…「ほんまじゃ。」

「え?」


上から降ってきた冷たい言葉に固まる。





「むっちゃ恥ずかったわ
何なん?いきなり」

「…っつー…ご、ごめんなさ、い、」

こんなたっくんみたことなくて、今にも泣き出しそうだ。


「…す、すぐに着替えて…お、おちゃっ」

「ええから!取り敢えず部屋とかにおって?出てきちゃあかんからな」



たっくんに突き放されて思わず某然とする。


そのままたっくんはリビングへ向かった。

と同時に溢れ出す涙



怖かった…あんなの見たことなくて…。






どすん





震えてがくがくと笑っていた膝が耐えきれなくて床に落ちる。




「たっくんのばーか」



あんなに冷たい言い方しなくても良いじゃんか
















***





どれくらい時間が経ったのかわからないけれどリビングからじゃあそろそろ帰ります。って言う吉川さんの声が聞こえた。



やばい…来る…。







焦って近くにある寝室のドアをあけ、逃げるようにして入る。










それじゃあさようなら
お邪魔しました。




なんて声が聞こえてほっとする。



その後すぐに足音がこっちに向かってきた。







がちゃ





そのままドアが開き、のそのそと近づいてくる足音。








「ーーで?何であんなことしたん?」



たっくんの声はまだ怒っている。

その声を聞いて、また泣きそうになった。


「…と、どいたから…みせた、く、て…」


そう言うとたっくんはまたはぁーっと大きなため息をついた。



少しビールの匂いがした。


「届いたからなに?全然似合ってないやんか…子供体験なんやからグレルは似合わへんって買うとき言うたやんけ

忘れたんか?」


びくっ




そうだったけど、けど!見てほしかったんだもん


答えそうにない私に呆れているのかわからないけど、たっくんはため息まじり続ける。


「あんなー…めっちゃ吉川さん驚いてたで?」







…き、っかわさん…。



だってさ












確かに吉川さん綺麗な身体してるよ



グラビアアイドルもやってたんだってね





だけどなんででてくるの?








































































































































「たっくん…。今までありがと」

「な!?」





そう呟いてのそっと立ち上がった。





そっかぁ



そういうことかぁ














なら仕方ないね。
























ばいばい

















大好き…だったよ…。
































そう残して私はたっくんの家から飛び出した。





















わかっちゃったよ








たっくん、吉川さんのことが好きなんだね


























だから
























ばいばい


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