『2年戦隊Dレンジャー』

□第一話「鈴懸の花が咲く」
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「いらっしゃいませ、福本優也様ですね。お嬢様がお待ちしております。こちらへどうぞ。」

漫画で見たようなメイドに迎えられ、大豪邸の中へ入る。


おひさま地獄の中を歩いてきた優也にとってまるで天国のような豪邸内はとても広く、
長い廊下にも動物の剥製やお高そうな絵画など、想像もつかない価値のものがそこらじゅうに転がっている。

こちらでございます、と案内された部屋へはいると、すでにDレンジャーのメンバーが全員、
そして生徒会長にして僕の友人・小倉弘実の5人が揃っていた。

「遅いじゃないか優也!もう皆揃ってるぞ。」
ジュース片手に手招きをする弘実会長。

「いらっしゃい。」
こしてこれが先ほどの電話の主にしてこの大豪邸の御令嬢、袴田百合だ。

日本有数の大財閥である袴田家の一人娘で、Dレンジャーピンクを務める彼女はDレンジャーにとって欠かすことのできない人物だ。

もちろん経済面で。



「今日も暑いから快適な百合の家で夏休みの宿題でもやろうということになったのだ。
どーでもよかったが一応お前も呼んでやろうと思ってな。」
このかなり棘のある物言いの彼女はDレンジャーグリーンの森美和である。
通称森っちと呼ばれていて、博学でIQも相当高いらしいのだが性格が見ての通りキツい。

『阿部ちゃん〜〜(涙)』
「まぁまぁ(笑)森っちもその辺にしてあげて、せっかく来たんだから優様も一緒に宿題やろう!」

森っちにいじめられ(?)涙目の優也を優しくフォローしてくれるのは我らがリーダーDレンジャーレッド阿部由稀子、通称阿部ちゃんだ。
弘実が会長を務める鈴懸一中生徒会で副会長を務めている。

「さっさと終わらせてしまわなければならないのだ。このしょーもない男に割いてやる時間はなかった。」
なんでここまで言われなければならないんだ…

「森っちも優様も、穏便にねっ?(汗)」
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