mein *テニスの王子様-長編-*

□やんちゃな子程寂しがり。[一人ぼっちで泣き止んだ]
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4時間後。

「ふっ…ふえぇ…何で皆来ないんだよぉ〜…うっ…ひっく…」
何時間立っても皆来ない。
待ち侘びたインターホンの音は
宅急便
近所のおばさん
勧誘訪問
…皆なにしてるんだよぉー!!

「ふえぇーんっ!」

ピンポーン

あっ!季人が帰って来た!
私は駆け足で玄関へ向かい勢いよくドアを開けた。
私は前に居た人物を確認せずに抱きついてしまった。

切原「悪ぃ、飛乃!四天宝寺が遅れちまっ…うぉっ!」
「季人!ずっと待ってたんだぞ!」
幸村「飛乃さん…大胆だね…」

ん?なんで幸村先輩の声が…?
私は恐る恐る顔を上げるとそこには顔を赤くした切原が居た。

「…何してんの…?」
切原「それはこっちのセリフだ!」
切原は早く離れろと言いたげに私を見つめた。
私は切原の背中に回していた手を離すと切原は三歩下がった。

「…あぁ!皆来てくれたんですね!どうぞ入ってください!」
切原・ジャッカル「いや、まず謝れよ!」

私が笑顔で中に入れようとすると切原とジャッカル先輩にツッコまれた。

丸井「なんだよ二人とも。飛乃の今の行動可愛いじゃねぇかよぃ?俺だったら大歓迎だぜぃ?飛乃。」

そう言って風船ガムを膨らましウインクをしながら両手を広げる丸井先輩。

「わーい!流石丸井先輩!」
私は抱きつく気満々で駆け寄り抱きつこうとした瞬間聞き覚えのある声が私の足を止めた。

「おい…何してんだ、天音…。」
「季人…!おかえりー!」
私は季人の姿が見えればすぐさま季人の方向に体を向けて駆け寄り抱きついた。

やっぱり季人が一番!

跡部「有名な大臣の娘がこんな奴とはなぁ…。お前の方が流石なんじゃねぇのか?アーン?」

っ…ほんっとうに嫌味みたいな言い方するんだから!
私は跡部さんのこういうところが嫌い。
でも、嫌いってだけで憎めない…。

「有名な大臣の娘でも気ままに過ごしたいんですよ〜。どこかのナルシとは違うんです!」
跡部「ハッ。俺様にそれだけの口を利けるのもお前だけかもな。」

私はむかっとして言い返すと跡部さんは褒めてるのかバカにしてるのかわからないような言い方で返して来た。

私達2人のこの会話は四天宝寺と不動峰の間で「永久に終わらない会話の嵐」と呼ばれている。

跡部さんや切原達と会話をしていたらいつの間にか涙が止まっていた。
やっぱり仲間の力って凄いんだなぁ…。

でも、これから毎日がこんな事ならちょっと嫌だな…。

「ははは…」
河村「どうしたの?飛乃さん…」

私はそんな事を考えていたら自然と引きつった笑みを浮かべていた。
それを見た河村さんが苦く笑っていた。

「あ、すみません…。なんでもないです…。」

私も苦く笑えば越前くんが余計な一言を言った。

越前「いつもみたいに壊れたんじゃないんスか?」
「ちょっと!それどういう意味だよ!」
越前「そのまんまッス」

ニヤッと嫌味な笑みを浮かべる越前くん。
なんだよ!私より6cm高いからっていい気になってさ!

そう、決して私の家に着いてそれで終わりな訳ないでしょう…?
ここからがはじまりだよ…!



第一章 やんちゃな子程寂しがり。[一人ぼっちで泣き止んだ。]完
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