Zzz

□オリオンをなぞりたい
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ふと目が覚めた。
いつの間にか自分は外にいたようだ。
周りを見渡せば光が溢れており、日本の東京とはまた違った都市の感じがした。

『…ここどこだ?』

自分の格好は普通に外着のラフな格好でパっとみ、男なのか女か分からない見た目である。
どうして自分がココにいるのかもさっぱりわからないので、参ってしまう。
しょうがないから歩き回る事にした。
街を歩けば至る所にヒーローの文字に宣伝、どこか見覚えがあるのだがわからない。
分かったことといえば、ココは日本ではない事で、英語の看板などをみかける。
ふと見つけた売店をのぞけば、雑誌も新聞もすべて英語で書かれている。
しかし不思議な事に耳に入る声は日本語だ。

『訳が分からない』

そう呟きながら雑誌の横に目をやったら驚いた。

『!…虎徹さん…だと?!』

そこには青きワイルドタイガーのカードが置いてあった。
これ夢か??とか考えながらありきたりにもほっぺをつねってみたが痛いだけであった。
うん、痛い。ん?痛い???

『はは…マジか』

トリップしちゃったよーーーーーーっ!!!!!!!!?
叫びたかったが心の中で押しとどめた。
しばらくフリーズしてたせいで目の前の売店のおばちゃんに凝視されていたので焦ったよ。
うん、とりあえず移動しよう。

『まさかのタイバニね…』

独り言をこぼしながらも宛もなくとりあえずまた歩き始めた。

いやさ、自分タイバニ好きであるといえばそうだが、訳あって忙しくてさ、アニメ全然見れていなかったわけよ、
分かるとすればヒーローたちのこと、バニーちゃんがウロボロスに復讐したいこと、ルナティックというやつがいること、
後よくわかんねーが、マーブルだかなんだかいうやつがアレなんだろ?
…アレだ、えっと、黒幕??よくわかんねーけどそんな感じだったはず!!!!適当で悪かったな!
とりあえず、全部知っているわけじゃないが所々見たことはあるんだよ!
映画だけは前半見たんだよ、一応…;;;
そんな感じに曖昧だが、記憶にはあるんだ。
多分、そのシーンになれば、あっ見た事ある!くらいにはなるはず!!

そんな事を考えている内に、もう空は真っ暗で星が輝いていた。
歩いていたせいか、腹もへり、帰宅したいが家もないし金もないのでしょうがなく道の隅に座り込んだ。

『あ〜、もう、無理、腹減った…』
「オイ、どうした坊主」
『あ?誰が坊主じゃ』

腹減ったせいか坊主と言われたせいなのか、イライラしながら顔をあげれば一人の男性が声をかけてきた。
見た目はふくよかな体系で黒人らしい。

「あー、わりぃ、もしかして女だったか?」
『…』

だまって見つめていればその男性は困ったように笑いながら手を差し伸べてきた。
その手を見つめたあと、その手をつかみ立ち上がった。

「あんた、腹へってんだろ?家でか??」
『…ああ』
「ここは治安が悪いからあぶねーぞ?」

周りを見れば確かに、治安が悪そうな雰囲気にそんな感じの人々がちらほら伺えた。

「とりあえず飯くわせてやるよ」


そう男は笑いながらリタを連れ出した。
しばらく歩けば、町並みは代わり、どんどん明るくなってきた。ビル街などの大通りが見えてきた。大通りの抜け、少し曲がったところで小さな店に着いた。
そこではたと気づいた。

『あ、自分お金持ってないっす…』
「だろうね、じゃなきゃあんな処にいないだろーよ、安心しな」

そういい男は扉をひらいた。
こじんまりとした、店内でカウンターとテーブル席にわかれていた。
テーブル席につき、男がどんどん注文し、あっという間に料理がきた、男が食べ始めたので自分も食べ始める事にした。
しばらくして男が聞いてきた。

「で、お前さんはなんていうんだい?」
『…リタです』

食べていたパスタを飲み込んでから答えた。

「そうか、おれはベンだ。よろしくな」
『ベンさんよろしくお願いします』
「敬語じゃなくていいよ」
『…うん、ありがとう』

そう言ってまた食事が再会した。
今はおなかがすいていたので目の前の食事に夢中であったが、考えてみると不思議だ。

『どうして自分なんかに、ご飯を…??』
「ん?あぁ、なんとなくだ」
『?』

なんとなくで自分なんかにごちそうをしてくれるなんてますますわからない。

「…しいて言えば、惹かれたかな」
『惹かれた?』
「わかんねーが、とりあえず助けようって感じたんだよ」

そう言って、笑いながらベンさんはお酒の入ったグラスを傾けていた。
よくよく見てみれば、このベンさんに見覚えがあるのだが、思い出せない。

「とりあえず、家でなら俺んトコ来るか?」
『っブ!』

急なお誘いにお水をふいてしまった。

「そんな驚かなくても;;家でしてんなら泊まるとこねーんだろ?」
『えっと、まぁ、そうなんだけど…いいんすか?』
「いいよ、いいよ、全然」

そんなこんなで自分はベンさんの元でお世話になる事になりました。
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