小牧幹久

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「あのクソ教官、あたしのこと目の敵にしてない!?」

昼休みの食堂に元気な声が響き渡る。

『(訓練の後なのによく大声が出せるな……。
 あれは確か………笠原さん、だっけ?)』

そう1人で考えているのは今年、新隊員として入隊した桜井水季である。

ちなみに大声で話してるのは、彼女と同じく
新隊員である笠原郁だ。

実は、2人は同じ班に配属されているにも関わらず全く関わりがない。水季に到っては
郁に限らず誰とも関係を持っていない。


"1人でいるのが普通"
と考えるのが水季なのだ。

だから彼女はいつも単独行動をしてしまう。


そして最悪なことに、人数の関係で水季は寮は1人で部屋を使っているため人間関係を作ろうにも作る機会がないのであった。


これで構わない。

そう納得はしているものの、
どこかで少し寂しいと思っている水季。


彼女が1人で葛藤しながら食事をしていると、
ふとこんな会話が耳に入った。
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