恋、しちゃった。

□一ヶ月
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『涼太…?

なんでいるの?』



驚いていると、
走って寄ってきた。



「なんで、って………!

当たり前、っスよ!!」


所々 息を切らせながら話す涼太。

彼のことだから
走って探してくれたのだろう。






『………………遅い』




涼太に近づき
こてん、と彼の胸に頭を寄せる。



「……!

うん、ごめん」


涼太は背中に手を回して、優しく撫でた。




あむっち、なんか小さいな

なんて思いながら
あむの香りに包まれるこのに
幸せを感じているのだ。




『会えないかと思った』


「んな訳ないっスよ、
間に合わなかったらダッシュであむん家 行こうって思ったし」


へへ、と笑うと
顔を上げたあむと目が合った。



真っ赤な顔のあむに、
黄瀬はドキッとした。




『…今日で、一ヶ月です』

「………うん」

『なのに全然会えなくて、
学校で涼太の声も聞けなくて』

「うん」

『すごく…さみしかったです』

「うん、俺も」


優しく頭を撫でてやると目を瞑り、
微笑む彼女に
どうしようもない愛おしさを感じる黄瀬。



「………あむっち」


『ん?………ッ!』


おでこにキスを落とす。
瞬きも出来ずに驚いているあむに、

黄瀬は紙袋を差し出した。



「これ、あむっちに。

会えなくてごめんねって言うのと
一ヶ月記念日の、プレゼント」


『え、え!?

あたし何も用意してない…!』



黄瀬とプレゼントを交互に見て、
あたふたしているあむに微笑んで、


「開けてみて」


と催促した。
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