流星の神

□星の涙
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「…なんか、あった?」







あむが嘘つくときの癖を
俺は知ってる。




一瞬だけど。

大きな目を見開いて、すぐに目を逸らす




昔から変わらないんだ、

嘘つくのが下手なのも。



1人で考え込むのも。






あむと、俺は

何も変わっちゃいねぇ…………





あむは目を逸らした後、


『…っ!


別に何もないけど……。

なんで?』



と泣きそうな顔で微笑んだ。







「んな、顔で何もないなんて
言われても説得力ねぇよ」




『本当に、なにも……わっ!』



抱きしめると、
わっ、と色気のない声を出すあむ。



そんなところも可愛いなんて、
思っちまう俺は かなり重症だろう。



『や…夜ト!


な、なにしてんの!離せバカ!!』





暴れているあむの頭を
黙って撫でてやる。







しばらく抵抗していたが、
あむは大人しくなった。







いつも、こうやって
あむを落ち着かせてきた。




あむが泣いている時も
笑っている時も
怒っている時も
そばにいたい、

なんて思い始めたのは いつだろう。
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