流星の神

□雪の魔
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『毘沙門ーーー!


いるーーー?』




大声で神の名を呼ぶあむ。





その声に出てきたのは
毘沙門の神器、兆麻だった。



「あむさん!!


どうも、お久しぶりです。
水月も、久しぶりだな」



「久しぶり、兆麻さん」



『兆麻、久しぶり!
毘沙門いる?』



「はい、呼んで来ますので、
どうぞ上がって待っていて下さい」




そう言われ、
あむと水月は
大きな毘沙門天の社に足を踏み入れた。












「待たせたな、あむ!水月!

久しぶり、
今日はどうした?」



『毘沙門は相変わらず美人ねー』



うんうん、と
隣で首を縦に振る水月。



「よしてくれよ、
美人はお前のほうだろ?あむ」


これにも
うんうん、と
首を縦に振る水月。



『いやいや。

あ、水月。
兆麻の所で術 教えてもらったら?』


「そうだな。兆麻!!


水月に何か術を教えてやれ」



「はっ!


水月、どんなのがいいか?
縛布も教えたし…」



そう言って
別室へと移動した2人。

これで真剣な 話ができそうだ。










『そう、あのね。
用件って言うのは、夜トのことなの』



「夜ト?あいつがどうかしたか。



最近は、あまり会って(敵討ちに行って)いないぞ」




夜トを好いているあむの前で
敵討ち、とは言いにくい毘沙門。



それをあむもわかっている。



『あんたらの会うって、
戦うってことじゃない』

そう言って笑った。



「ま、まあ………。


でも あいつ、最近神器を
手に入れたようじゃないか」


あむの質問に苦笑いしながら

夜トの神器のことに触れた毘沙門。

あむがここに来たのも
そのことなのだ。





『あたしの勘からすると、
そろそろ毘沙門は
また夜トのところ行くでしょ?



なんだけど…、その、
夜トね、今 ヤスんでるの』



そう言って
悲しげに目を伏せたあむ。



「ヤスミ?

それならお前のところで
清めてやればいいじゃないか」



『違うの!

妖から来たものじゃなくて…、

神器から来たものだから


そんなのじゃ清められないのよ』
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