恋、しちゃった。

□嫉妬?
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次の日、
学校へ行くと体育館から音がした。


これは………バスケットの音だよな。



『わ、みんな朝練してる…』




あの人たちは、昨日の…だから一軍か。

体育館の入口から中を覗いていると
外を走らされていただろう黄瀬が帰ってきた。



「あっつーーー………


て、あれ!?
あむっちじゃないっスか!」




くそ、バレたか………!
黄瀬の声は大きいから
みんながあたしに注目した。


『あ、おはよう………ございます』


「おはよっス!


つか、こんなとこで何してんスか?」



あむの隣に腰かけ、
スポドリを伸びながらタオルで汗を拭く黄瀬。




あぁ、ファンの子達がいたら
キャーキャー言っているのだろうか。


『やっぱり、朝練やってるんだね』


「まーね!

おかげで眠くて眠くて…」


黄瀬は言いながら
ふぁあ、と欠伸している。



『そうかそうか…』


「おい、黄瀬ぇ!


練習再開すんぞーー!!
…って、あむじゃねぇか」


なぜ青峰は あたしの名前を知ってるのか、
呼び捨てなのか、
気になるところはたくさんあるが
まぁいいか。


『おはよ青峰』

「おお、おはよ。

どーしたんだよ。
朝からまた、マネ体験してーのか?」

…なんか馬鹿にされている気分だ。

あ、そっか!
赤司くんとさつき以外は、
あたしがマネ続けること知らないのか。


『あのね、あた「あむは、これから一軍のマネージャーとして入部してもらうんだよ」


あたしの言葉に被せるように
赤司くんが説明してくれた。


「すまない、
昨日 朝練のこと言ってなかったね。

明日から朝も頼めるかな?」



………そうだ。
この人には逆らえないのか。



正直、朝は弱いが 引き受けてしまった以上断れない。
みんな頑張ってるんだもん。




『あ、うん!
頑張ります………』


「マジっスか!?


やべ、テンション上がってきたっス!!」



黄瀬は目を輝かせている。
なんでテンション上がるんだ、
と不思議に思ったが触れないことにした。



「なんだ、お前マネ続けんのか!」


『ケラケラ笑うなよ青峰』


「ははっ、まぁよろしくな」


あたしの頭を撫でて
コートに走って行った。


「………………」


『どうしたの、黄瀬。

ほっぺたが お餅みたいだよ』



黄瀬が すごく膨れている。
どうしたのだろう…。


「………なんでもねーっス!」

『あ、そう?』

それでも黄瀬はほっぺたを
膨らませているので、
両手で黄瀬のほっぺを挟み
ムギュッと潰した。


すると案の定
ふしゅー、と息が抜けていき
いつもの黄瀬の顔になった。


「………ッ、あむっち………!」


『ん?


………なんか黄瀬のほっぺ、
熱いんだけど大丈夫?』


ほっぺが潰れても
ずっと挟んでいたが、
どんどん熱が上がっている気が……



「だ、大丈夫っス!!


ぜんっぜん平気…!」



黄瀬が手を横にブンブン振り、
平気だと言い張る。


すると、



キーンコーンカーンコーン…


朝練をしている部活のための予鈴だ。
これが鳴ると、部活終わりになるそう。



『あ、チャイム………』


「やべ、集合してる!


いってくるっス!!」





一人、残ったあたしは
教室へ向かった。






−−−−−−−−−−−−




「黄瀬、お前 練習サボってたよな」


「あ、赤司っち………!


サボってた、ってか、その………」




「放課後練習のときみんなより早く来て、
さっきの倍 外周してこい」


「………わかったっス」


しゅん、としている黄瀬を他所に
みんなは更衣室へ向かうのだった。
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