恋、しちゃった。
□一ヶ月
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今日で付き合って一ヶ月記念日。
だからといって
すごく特別なことは何もなく、
ただ少し気分が上がっているだけ。
なのに
彼氏の
黄瀬涼太は今日モデルの仕事なのです。
前にもちょいちょいあったけど、
今日は記念日なのに!!!
って思ったけど
応援するって決めたからなぁ…、と
心の中で我慢した。
『………さみしい』
−−−−−−−−−−ーー
「すいません、
今日どのくらいかかりますか?」
「そうだな…
撮影もあるし、インタビューもあるから
学校には行けないと思うぞ?」
「そうっスかぁ………」
移動の最中、
黄瀬はマネージャーに聞いた。
なぜ今日に限って忙しいのだ。
と言っても、
売れ始めたばかりなのに休む訳にはいかない。
しょうがなくモデルの仕事をこなすのだ。
「うん、かっこいいよー」
「もう少し笑って!」
「あ、そうそう!
かっこいい、良い感じ!」
カメラマンやスタイリストが
カッコいい、と褒めるが
黄瀬にとって、あむに褒められることが何より嬉しい、
だから全然気分は上がらないのだ。
そのせいで撮り直しが続き、
時間が押した状態でインタビューへ向かう。
( まじで学校間に合わねーじゃん… )
はぁぁああ、と
大きくため息をつく黄瀬だった。