恋、しちゃった。

□現場
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夏休みが終わり新学期。



もう9月だと言うのに、
朝から暑くてしょうがない。





『………暑いわ』


「そーっスねー」



あっちー、と手で顔を仰ぐ涼太。
さっき買ってきてくれたアイスを食べながら
登校している。




我ながら 自由な中学だと思う。



指定の水色のワイシャツは
汗が目立つから嫌だけど。









今日は朝練が無く、
ゆっくりと登校できた。




「おはようございます。
あむさん、黄瀬くん」



『あ、黒子!
おはよーう』



「おはよっス!黒子っち」




下駄箱で靴を履き替えていると
黒子と会った。



「朝からアイスなんて
お腹壊しますよ?」


『暑いから大丈夫だよー』


「大丈夫じゃありませんよ」


「黒子っち!
俺のことシカトっスか!?」



一切、涼太のほうを見ない黒子。
なんだかそんな2人が面白くて
笑ってしまう。



『早く行こ、遅刻するよー』


「そうですね、行きましょうか」


「ちょ、あむっちまで!
置いていかないで!!」











教室はクーラーが効いていた。


『………涼しい』


「あ、あむおはよっ」


『唯、おはよーう』


「今日も暑いね、
黄瀬くんと登校してたでしょー!」


クラスの子に涼太と付き合っていることは
もうバレている。


隠しているつもりは無いが、
一応モデルだし………


と自分達からは
あまり公表していなかった。





『あー、うん』


「ほんっとラブラブだよね!

羨ましいわ、
あんなイケメンと付き合えて」



唯はクラスでも仲が良い女の子。
肩くらいの髪の毛で、可愛くて明るい。

あたしによくしてくれる良い人だ。




「でも…
黄瀬くん、ファンクラブもあるし
気をつけなよ?

なんかあったら言ってね」


『うん、ありがとう』




「あんた………、
その顔は あかんわ」


『は?』


「はぁ、その笑顔に黄瀬くんはイチコロなわけね」





なにを言っているんだ、と
頭を抱えている唯に不思議な目を向けた。




「私も見張ってるから
大丈夫だと思うけど、

あむは可愛いから僻みも多いし
しかも黄瀬くんの彼女とくると
かなり危ないんだからね?」


『まぁ、涼太はモテるからねー…』


ふう、と溜息をつく。
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