恋、しちゃった。

□噂
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良太と付き合っている、と言う噂は
かなり広まっているようだ。






だからと言って困ることは
あまり無いと考えていたが、


どうやらそんなこともないらしかった。











「ねぇ、このクラスにあむって子、いる?」



学校が終わり、もう帰ろうと言う時。



所謂、” 呼び出し ”というやつだ。




この人達、三年生かな。
見たことないし。




なんて呑気なことを考えながら
ついていく。






………体育館裏、なんてベタな場所。



ぼーっとしていると、


「あんた、黄瀬くんと付き合ってんだって?」


なんて声が聞こえた。



『あぁはい、一応』



呼び出しをされても
動じないあたしを見てイラついてるのだろう。



リーダー的な人が声を張り上げた。


「ちょっとさ、生意気じゃない?


あんたに黄瀬くんは不釣り合いだと思うわ!」


「そうよ、別れなさいよ!」



嗚呼、うるさい。
この人達の声 高くてキンキンする。



一通りみんなの意見を言い終えたらしい。

あたしの返事を待っているようだ。





『あのー…帰っていいですか?』




「「………は?」」



目を真ん丸くしてポカーンとしている。



『いや、あの…
皆さんの愚痴は聞き終えたので
もう帰らせていただいても…』




「ちょっ、あんたねぇ!!」



リーダーがあたしの胸倉を掴んで
睨みつけた。




まあ、こんな時でも
動じないあたしは、
少しおかしいのかもしれない。




「なんとか言いなさいよ!」




『……じゃあ一つ言いますけど。


裏でしか言えないような、
ずるい人には負けたくないし。


良太のこと、
あなた達にあげるつもりはないので』




まぁ、大体の本心は伝えた。




「生意気………!


あんたは黙って別れればいいのよ。

それとも黄瀬くんに
あんたに殴られたーとか言って、
あんたのこと嫌いになってもらおうかしら」




また一段と悪どいことを…。


『あの「馬鹿じゃねっスか?」



後ろから声がした。
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