恋、しちゃった。

□一ヶ月
2ページ/4ページ






その頃、
帝光中では部活の時間。





あむもマネージャーとして
働いている。




( 今日は、ほんとに会えなかったな )


と落ち込むあむ。





「おい、あむ!」


『青峰、なに?』



「んな顔してんじゃねえぞ」


『………ちょ、いはいんでふけど…』



両ほっぺたを つねられ、
まともに話せない。



「お前がブスだと、
なんか調子狂うんだよ馬鹿」

『………いつも ぶふでふ。』


いつもブスです。
と言いたかったのだ。


「一ヶ月なんだろ?
会えなくても笑ってねーと、な?」


そう言って
ほっぺたを離してくれた。



『………………うん。


青峰にしては、良いこと言う』


「んだとゴラ」


あたしの頭をぐしゃぐしゃ、と撫でて
練習に戻った青峰。





慰めてくれたのだろう、
その優しさが嬉しかった。







−−−−−−−−−−ーー




「もう部活始まってるし!

つか、もう部活終わるし!!」



タクシーを呼び、急ぐ黄瀬。



帝光中学校まで、と運転手に伝え
あむに電話をかける。




だが、部活中だ。
電話に出なかった。




「あぁ、もう………!
早く会いたいのに〜っ」



一人で焦る黄瀬。
その手には、仕事終わりに買ったあむへの
一ヶ月記念日のプレゼントが握られているのだった。



「あむっち、
淋しがってるかな……」




あのクールな彼女の事だ、
もし平然としていたら
かなりショック受けるなぁ。


そんなことを考えながら
中学校へと向かうのだった。








−−−−−−−−−−ーー






「今日の部活は、ここまでだ。

解散」





「「お疲れ様です!!」」






赤司の号令によって、解散したバスケ部。



するとさつきが駆け寄る。


「あむ、一緒に帰ろ?」


『うん、久しぶりだね!』



いつも涼太と帰っていたから
さつきと帰ることが久しぶりだった。




「早く着替えよ!」


『そだね』






2人は更衣室へ向かい、
着替えて学校を出た。




「今日きーちゃんいなかったね」


『うん、でもお仕事だもんね。

しょうがないかなって』


「そっか…。

もうちょっと我儘言っちゃえばいいのに!」



そんな会話をしながら歩く。


『じゃ、また明日ね!』


「うん!じゃあねー」




帰り道の途中で別れる。






しばらく下を向きながら歩いていると、



「………あむっち!!」



聞き慣れた声がした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ