恋、しちゃった。
□一ヶ月
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その頃、
帝光中では部活の時間。
あむもマネージャーとして
働いている。
( 今日は、ほんとに会えなかったな )
と落ち込むあむ。
「おい、あむ!」
『青峰、なに?』
「んな顔してんじゃねえぞ」
『………ちょ、いはいんでふけど…』
両ほっぺたを つねられ、
まともに話せない。
「お前がブスだと、
なんか調子狂うんだよ馬鹿」
『………いつも ぶふでふ。』
いつもブスです。
と言いたかったのだ。
「一ヶ月なんだろ?
会えなくても笑ってねーと、な?」
そう言って
ほっぺたを離してくれた。
『………………うん。
青峰にしては、良いこと言う』
「んだとゴラ」
あたしの頭をぐしゃぐしゃ、と撫でて
練習に戻った青峰。
慰めてくれたのだろう、
その優しさが嬉しかった。
−−−−−−−−−−ーー
「もう部活始まってるし!
つか、もう部活終わるし!!」
タクシーを呼び、急ぐ黄瀬。
帝光中学校まで、と運転手に伝え
あむに電話をかける。
だが、部活中だ。
電話に出なかった。
「あぁ、もう………!
早く会いたいのに〜っ」
一人で焦る黄瀬。
その手には、仕事終わりに買ったあむへの
一ヶ月記念日のプレゼントが握られているのだった。
「あむっち、
淋しがってるかな……」
あのクールな彼女の事だ、
もし平然としていたら
かなりショック受けるなぁ。
そんなことを考えながら
中学校へと向かうのだった。
−−−−−−−−−−ーー
「今日の部活は、ここまでだ。
解散」
「「お疲れ様です!!」」
赤司の号令によって、解散したバスケ部。
するとさつきが駆け寄る。
「あむ、一緒に帰ろ?」
『うん、久しぶりだね!』
いつも涼太と帰っていたから
さつきと帰ることが久しぶりだった。
「早く着替えよ!」
『そだね』
2人は更衣室へ向かい、
着替えて学校を出た。
「今日きーちゃんいなかったね」
『うん、でもお仕事だもんね。
しょうがないかなって』
「そっか…。
もうちょっと我儘言っちゃえばいいのに!」
そんな会話をしながら歩く。
『じゃ、また明日ね!』
「うん!じゃあねー」
帰り道の途中で別れる。
しばらく下を向きながら歩いていると、
「………あむっち!!」
聞き慣れた声がした。