□Magical Word
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「何で好きって言ってくれないの?」






首を傾げながら覗き込むと、ゾロは困った様にしてこちらを見た。




「そんなこと、いちいち言わなきゃならねェのかよ」




好きって言ってとせがむと、こんな風に怒ったみたいに喋る。







私は只、言葉で聞きたいだけ。




好きな人にはずっと好きでいてほしい。




そう思うのはいけないこと?







抱きしめたり、キスだけじゃなくて。



言葉にして貰わないと。



女の子は不安だよ。






ゾロはいつも仏頂面だから余計に分からないんだから…。




もう私の気持ちとは違うんじゃないかって。




嫌いになっちゃったんじゃないかって、時々思う。




本当の所はどうなのかな?




下を向いて黙ってると、ゾロは溜め息をついてから口を開いた。



「……俺は心変わりなんかしねェよ。けど、もう 好き ≠カゃあねェな…」



じゃあ、本当に嫌いになっちゃったってこと…?




「ツバキ……」




私の名前を呼ぶと抱き寄せて、低く、甘い声で囁いた。



耳元で───。










「…………愛してる…………」










胸の中からゾロを見上げると、照れくさそうに目を逸らして。




魔法の言葉が粉となって、チークのように頬を色づかせていた。






「…って、言えるか普通…」







そんな反応されたら、こっちが照れちゃうんだけど…。





…ゾロの馬鹿。




「私も──」




もう『大好き』じゃないよ。






愛してる






思えば、こんなに人を好きになることなんて、他になかった。




私、ずっと傍にいたい。




そう思うのはあなただけ。





愛してるなんて言葉だけじゃ足りないくらい。




一生あなたを愛するって誓うから。



だからあなたも。






ずっと愛してね────?








Fin.



 
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