□キライ、キライ、スキ。2-1
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第2話 混ざる 前編


あれからというもの、ゾロは何事もなかったかのようにいつもどおりだった。
ルフィたちと笑いあったり、サンジ君とのケンカもしていた。
今は甲板で筋トレをしているゾロ。
彼にとっては何でもないことだったのだろうか。

今のところ私とのことは誰にも言ってないようだ。

「――ちょっと、ツバキ!聞いてるの?」
「え!?な、何…?」
「もう…次の島に行ったら何する?って話でしょ!」
私は甲板にパラソルテーブルを置いて、ナミと女子会をしていた。
「ごめんっ。…でもナミがしたいのはショッピングでしょ」
「もちろんそうよ」

紅茶の入ったカップを片手に口角を上げるナミ。
残りの一口を飲んでカップを置いた。
「じゃあ決まりね。あんたゾロ誘っておいてくれる?」
「え?!」
一瞬ドキッとした。彼の名前が出たからだ。

「な、何で…?」
「荷物持ちが必要でしょ!サンジ君は買い出しあるし。ルフィは使い物にならないし!それに、ツバキはゾロと仲良いじゃない」
「いや、別に仲いいわけじゃ…」
確かに前からよく話す仲ではあった。
サンジ君との仲を相談してるのはナミ、ロビンときてなぜかゾロ。
悩んでるとき、よく話を聞いてくれたっけ。

「ナミだってゾロに直接言えるじゃん」
「それはそうだけど、あんたが誘った方が素直に聞くからよ」
私が首を傾げていると、フフッとナミは笑った。
「勘よ、勘」
そして椅子から立ち上がると、測量室の方へ歩いていく。
その姿勢のいい背中を見つめながら、ナミが言ったことについて考えてみたが、結局よく分からなかった。

 
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