□笑う悪魔の悪戯を
2ページ/5ページ

 


時は過ぎて、その夜。

薄暗い女部屋で目を開けた。

目の前にだだっ広い天井が映るベッドの上。

私はそこで寝返りを打った。


(眠れない…)


いつもなら隣にはナミとロビンが一緒に寝ているけれど、今日はいない。

ログはまだ溜まってないみたいで、町で休むらしい。

一人でいると、この広いベッドも女部屋も、自分にはどうも大きすぎる。

一階の男部屋にはサンジ君がいるが。

「…………」

いいや、いくら部屋には彼氏しかいないとはいえ、男部屋に入るのはどうなのだろうか。

でも、ここで寝ていても心細いだけで変わらない。


それに何より、一緒にいたい。


何せ明日には皆帰ってきてしまうわけだし、そうなれば二人きりの時間は当分ないかも知れない。


そんなことを考えながら、私は枕を両手に抱いて、ベッドから出た。




夜の外は静まりかえっている。

私は男部屋のドアの前にいる。


この扉の向こうに愛しい人がいて、開ければ直ぐに会える。

その喜びを思うと、つい緊張感で走る鼓動。

ここまで来て戻るにもいかず、落ち着かせるために深呼吸して、ドアノブに手をかけた。


恐る恐るドアを開けると、当たり前だが薄暗い。

微かに見えるだけの中、ベッドのあるところにまで行くと、一ヶ所に人の気配があるのが分かった。

近くで覗くと、背を向けているサンジ君。

そこにいるというだけで安心感があった。


呼吸の音は聞こえるが、果たして寝ているのだろうか。


「…サンジ君」


思わず小さく口にした彼の名前。

サンジ君がゆっくり寝返りを打つと、ちょうど目が合った。


「どうした?」

「起こしてごめんね」

「いや。眠れないのかい?」

「うん…」


持っていた枕を胸の前で、心音を隠すように抱きしめる。



「おいで」



するとサンジ君は微笑み、掠れた声で言った。

引かれた手に身を任せ、吸い込まれるようにベッドに横になった。


顔が熱い…。


女部屋の大きなベッドとは違い、密着しなければ二人では入れない程狭い、一人分のベッドの上。

そして自分でも望んだ二人きりの空間。

あまりの距離の近さに彼の方には背を向けている。

そもそも眠りに来ただけで、いかがわしいことをしに来た訳じゃないだろう。


この鼓動も掻き消すように、ぎゅっと目を瞑る。

しかし昼間に起きた出来事が、下半身を刺激させるため、全く眠れない。

「…ッ?!サ、サンジ君?!」

「んー?」

すると突然、背後から抱きしめられた。

匂いを嗅ぐように、首に顔を埋めるサンジ君。

抑えたいのに、どんどん鼓動が加速していく。

それに首に息がかかって…。


「く…くすぐった…」

「相変わらず首弱いな、ツバキちゃん」

「…っ」


ほくそ笑みながら、首に息をかけることを止めない彼は、私の様子を楽しんでいるようだ。


くすぐったいのを我慢していると、気づかないうちにたどり着いてたサンジ君の手が、私のその小さな胸を服の上から揉み始めた。

「ひゃっ…」

「やっぱりこうしてると落ち着く…」


“揉む”と言うより、“触っている”の方が正しい気はする。


「サンジ君、やめよ…?」

「何で?」

「な、何でって…」


「エッチな気分になりそう?」

「…っ!」


耳元を低い声で囁かれ息を呑んだ。

それは答えが図星だったから。


昼間といい、今といい。

サンジ君は、いつもよりもすごく積極的だ。

私も、何だか…熱い。


胸が、体が。

いつもより敏感になってる。



「もっと感じていいんだぜ?」


普段は胸をよく触るサンジ君。

しかし今は胸の先を重点的に攻めてくるせいで、身体の反応は隠せてない。


「ん…、ンんっ…」

摘まんでは転がして、弾いては擦って。

布越しなのに、気持ちいい。


「今日は自棄に敏感だな…。すげェ可愛い」


「…ッ」

その言葉に恥ずかしくて返事は出来なかった。


身体は火照り、下半身は疼いてしまっている。

直接触れて欲しくてもどかしくて。


きっとサンジ君は昼間と同じの笑みを浮かべたと思う。

後ろにいる彼の表情は読み取れないから、いったい何を考えているのか分からない。

ただクスクス笑う声に、面白がってることは理解出来る。


いつの間にか下着へと手が忍び込んで来ていて、指が秘部に触れた。


「あっ…!サンジ君、待って…!」

「ダメだよ。俺がこうなったのは君のせいなんだぜ?それに昼間も“お預け”だっただろ?」

「で、でもっ……んあっ!」


次の言葉が思いつく前に、いきなり2本もの指が膣に入ってきた。



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ