□キライ、キライ、スキ。2-1
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暫くして、甲板で寝ている緑頭を発見した。
筋トレの後はお昼寝タイムか。
昨夜のこともあり声をかけづらいところだが、私はそっと近づいて、彼の横で腰を屈める。

「…ゾロ?起きてる…?」
気配を感じ取っていたかのように、スッと目が開いた。
そしてゆっくり身体を起こすゾロ。
「何だよ」
「あのさ…次の島、一緒にショッピング付き合ってもらえない?」
「あァ、分かった」
返って来たのは短い返事。
そのあっさりした答えに私は唖然とする。

「…え?行ってくれるの…?」
「お前が言ったんだろ」
「いや、てっきり嫌がるかと…ナミの荷物持ち」
「あー…んだよ、またか…」
露骨に嫌そうな顔をしながら、ため息を残してまた芝生に寝転んだ。
「俺一人でも持てる量が限られっから、あんまり荷物増やすなって伝えといてくれ」
「あ、うん…」

(…ってことは、行くってことだよね…?)
嫌な顔したって、何だかんだ最後には聞き入れてくれるところはいいところだ。
私は自然と口角が上がった。
「じゃあナミに知らせちゃうね」
「ん」
ぶっきらぼうに返事をするゾロに背を向けて、甲板を後にした。


――測量室で資料を読んでるナミに、さっきのことを説明した。
「そう。やっぱりね」
「やっぱりって?」
「あー、こっちの話」
ナミは手ををひらひらさせながら、口角を上げる。
そんなに隠されると気になってしまうが、教えてくれそうにもない。

何にせよゾロは素直に行くわけだから、気にしないことにしよう。
「次の島どんなとこだろうね〜」
「ずいぶん嬉しそうね」
「へ?そ、そう??」
私は頬を掻いた。
そんなに表情が緩んでたのだろうか。

ニヤニヤしながら肩に肘を置くナミ。
「さっきあんなに上の空だったのに。あんた、ゾロと何かあったの?」
「あはは…、そんなわけないないー…」
ナミの質問に苦笑いを浮かべるしか出来なかった。
私がゾロとどうこうなるなんて考えたくない。
これ以上何か起きてはいけないのだ。



後編へ続く→
 


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