隣にいられる幸せ

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「鷹の目 アイリスに何してんだよっ!?」

「俺ではない」


ミホークはアイリスを見た。

「…アイリスが…」


アイリスはシャンクスを見た。

「…ん? どうしたの…シャンクス?」


アイリスの顔はほんのりと赤くなっていた。


「“どうしたの”じゃなくてっ!! なんで鷹の目と…!?」

「ああ。 これ?」

アイリスは可笑しそうに微笑した。


「だって ミホーク…いい匂いなんだもん…」

そう言うと アイリスはミホークの匂いを再び嗅いだ。

そして ミホークの顔に顔を近づけた。


「!」

「ちょっと待っ…!!」


だが アイリスの唇がミホークの唇に触れる直前にアイリスはミホークの胸板に倒れ込んだ。

そして そのままアイリスは眠ってしまった。


「………」

「………」

「……眠ったみたいだな…」

「……ああ…」

「……酔っていたみたいだな……」

「……ああ…」

「………」

「………」

シャンクスとミホークの間に険悪な空気が漂い始めた。



「なんかヤバイ雰囲気…」


ベックマンはため息をつくと 立ち上がった。

「…まあ…お頭にとってはいい勉強にはなったな」

油断してると取られる…って言う危機感のな…



アイリスはミホークの胸板に頭を預け 寝息を立てていた。


「………」

「………」

相変わらず シャンクスとミホークの間には険悪な空気が漂っていた。


「お頭 夜は冷える。 アイリスをそのままにしてたら 風邪引いちまうぞ」


シャンクスは歩いてきたベックマンを見た。

「……ベックマン…」


ベックマンはアイリスが間違って飲んだ酒を見た。

「………」

よりによって かなり強い酒か…



ベックマンはミホークを見た。


「鷹の目…」

そして 手を差し出した。


「こんなにも体温が高いのに 風邪を引くとは思えないが…」

ミホークはシャンクスに聞こえないように小声で言いながら 人獣型のアイリスをベックマンに渡した。


「…わかっているさ……」

ったく 頭が切れる奴は扱いづらい…


アイリスを抱き上げたベックマンはシャンクスを見た。

「お開きにしよう お頭」

「…ああ……」

シャンクスは先ほどのことがあまりにも衝撃的で 放心状態気味だった。



ベックマンはミホークを見た。

「悪いが アイリスに1部屋 貸してくれ」

「こんなところで寝るのは辛かろう。 全員分の部屋を貸そう」

そう言うと ミホークは立ち上がって屋敷に向かって歩き出した。


「野宿は慣れているから平気だが…鷹の目がそう言ってくれるなら……」

アイリスを抱き上げているベックマンはヤソップに説明すると ミホークの後を追って歩いていった。



ヤソップ達は宴の片付けをして 放心状態のシャンクスを連れて ミホークの屋敷に入った。



「アイリスはちゃんと寝かせたから お頭ももう休みな」

「……ああ…」

シャンクスは部屋に入っていった。



「貴重なお頭だが…なんか可哀想だな……」

「…ああ」

ベックマンを除く船員たちもミホークが用意した部屋に入っていた。



1人残ったベックマンはミホークを見た。

「部屋 ありがとな」

「…構わん」


ベックマンはミホークにお酒を差し出した。

「…飲み足りなかっただろう? 俺でいいなら付き合うぜ」

「………」

ミホークはベックマンからお酒を受け取った。


ベックマンはミホークに向かい合うように座った。


「お頭はいつも能天気だが アイリスのことになると神経質なんだ」

「…らしいな…」

「あんたはその気はないかもしれねェけど あんまりお頭を苛めないでくれよ…」

「………それは俺にアイリスを諦めろ…と言う意味か?」

「…いや それを決めるのはアイリス自身だからな」

「………」


ミホークはお酒を飲んだ。

「…恋愛とは難しいものだな……」

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