隣にいられる幸せ

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「アイリスが倒れる前に腕輪が七色に光りだしたのは記憶を封印している鍵が解除されたからだ」

「!? じゃあ アイリスは…!」


レイリーは首を横に振った。

「あの腕輪に記憶を封印させる鍵は2つの“言葉”と“場所”。 あの時 アイリスが発した言葉は私の名である“シルバーズ・レイリー”と“ユメリア”…恐らく この2つが“言葉”の鍵だったのであろう…」

「……残りの“場所”とは?」

「私の予想では…アルカンシエル島…。 ユメリアが住んでいた島で 私と会った島だ」

「アルカンシエル島に行けばアイリスの記憶は戻るんだな レイリーさん!?」

「ああ。 ……だが…「……ん…」」


その時 アイリスが目を覚ました。


「アイリス 大丈夫か!?」


シャンクス達はアイリスが寝ていたベッドに駆け寄った。


「大丈夫か アイリス?」

「うん。 少し頭が痛いだけ」

「……俺達のこと わかるよな…?」

シャンクスは不安になり 念の為に聞いた。


「? シャンクスに、ベックマンに、ヤソップに、ルウに―――…」

アイリスは疑問を思いながら名前を言っていった。


「よかったー!」

シャンクスは思わずアイリスを抱きしめた。


「シャンクス 苦しいよー…」

「ああ。 すまん すまん」

シャンクスは笑顔で アイリスを放した。



「顔色もよくなったわ」

「?」

「シャクヤクよ。 シャッキーでいいわ」

「初めまして。 アイリスです」


シャクヤクは向こう側で座っているレイリーを見た。

「レイさんもこっちに来たら?」

「!」

アイリスはレイリーに気づき ベットから降りて 駆け寄った。


「あの…! …レイリーさんは私の…私の……」

その後の言葉は出なかった。


レイリーは優しく微笑み 今にも泣き出しそうなアイリスの頭を撫でた。


「アイリスはそれを誰に聞いたのだ?」

「……わからない。 でも…私にとって大事な人に聞いた気がする…… “あなたの父親の名前はシルバーズ・レイリー”…って……」

「……そうか…」

恐らくユメリアだろう

アルカンシエル島のことを忘れているみたいだな…


ユメリアはなぜ自分の記憶とアルカンシエル島での記憶を無くさせたのだ…?


「…あの……」

「おお すまん。 歳を取ると すぐ昔を思い出してしまってな…」


レイリーはアイリスを抱きしめた。

「!? レイ…「私がお前の父親だよ アイリス」」


アイリスは目を見開いて驚いていたが、声をあげて泣き始めた。

「……うわーんっ…」

「寂しい思いをさせてすまなかったな アイリス」


アイリスは首を横に振った。





「レイさん そろそろ夕食の支度をしようと思うんだけど…材料が足りないから買ってくるわね?」

「ああ」


シャクヤクはアイリスを見た。

「アイリスちゃんも一緒に来てくれる?」

「あ はい!」

「じゃあ行ってくるわね」

「行ってきます」

「ちょっと待った!」


シャンクスの言葉に アイリスとシャクヤクは振り返った。


「二人だけじゃ危なくないか? ここ 海賊だって沢山いるし…」

「あら アイリスちゃんが心配?」

「……まァ…」

「大丈夫だ シャンクス。 シャクヤクはもともと海賊だ。 そこら辺の海賊には負けんぞ」

「そう言うことよ」


シャクヤクはアイリスを見た。

「行きましょ アイリスちゃん」

「はい!」


アイリスはシャンクスを見た。

「行ってくるね シャンクス!」

「ああ…気をつけてな」

「うん!」


アイリスとシャクヤクは店を出ていった。



「…さて シャクヤクがアイリスを連れていっている間に話しておこう」


レイリーは辛そうな顔をした。

「…幼いアイリスが聞くにはあまりにも悲しすぎる……」

「…冥王…まさか……」

「さすが…察しがいいな ベン・ベックマン…」

「……ここまで自分の直感を恨んだことはねェな…」

外れて欲しかった…


「どう言う意味だ ベックマン?」


シャンクスはレイリーを見た。

「レイリーさん ちゃんとわかるように説明してくれ」

「………アイリスの母親 ユメリアは…既に亡くなっている……」

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