アネモネ

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それから少しして、アイリス達は魚人島にいた。


ローは魚人島に寄る気はなかったが、船員達がうるさく、アイリスも寄りたいと言うことで寄ることにした。


「「「楽園だァ〜〜〜!!!」」」

船員達は鼻を伸ばして言った。


「船長 アイリスに甘いんすね!」

「…うるさい」

そう言うと ローはアイリスを見た。


「わあー! 人魚さんがいっぱい!!」

アイリスは目を輝かせていた。


ローは喜んでいるアイリスを見て 微笑した。


「ようこそ 魚人島へ」

“人魚の入り江”では人魚達がアイリス達を歓迎した。




そして アイリス達はお昼を食べるためにサンゴが丘にある“マーメイドカフェ”の前にいた。


「洋食 食べれるぞー!」

「俺 肉食いたい!」

「俺も!」

「最近 和食ばっかりだったからなァ」

「そりゃあ 船長が大事なアイリスのために…」


ローは“ROOM”の構えをした。


シャチは慌てて口を塞いだ。


「…私がどうかしたの?」

「何でもないから気にしないで」


アイリス達はマーメイドカフェに入った。


「「「いらっしゃいませ!」」」

マーメイドカフェの店員達は笑顔で出迎えた。


「どうぞ こちらに… あ! あなた 私と一緒に捕まっていた子だよね!?」

「あ! あの時の人魚さん!? よかった! 元気そうで!」

アイリスとケイミーは笑顔でお互いの手を取り合った。


「船長 よかったすね! 魚人島にきて」

「思わぬ再会だな」

「でも アイリス、すっごく嬉しそうっすよ!」

「……そうだな」



アイリスとケイミーは自己紹介をし合った。


「アイリスちん よろしくね!」

「こちらこそよろしくね ケイミー!」

……アイリス“ちん”?



アイリス達は席に座って メニューを見た。

「…肉どころか…」

「……魚もない……」

メニューを見た船員達は残念そうにした。


「ごめんね。 人魚はお肉もお魚も食べないから。 魚人たちは食べるんだけど…」

「…そうなんだ…」



アイリス達は適当なものを注文し お昼を食べ終えて 寛いでいた。


「どうだった…?」

「まあまあ美味しかったな」

「ああ」

「よかった!」


シャチはローを見た。

「船長 アイリスと一緒に買い物行ってきたらどうっすか? 洋服1枚じゃ流石に可愛そうっすよ!」

「…そうだな」

「買い物!」

アイリスは嬉しそうな顔をした。


「買い物ならこの子を連れてきな」

そう言うと シャーリーはケイミーを見た。


「せっかく友達になったんだろう? 今日はお店休んでいいから 島案内しておあげ」

「いいの!? ありがとう マダム・シャーリー!」

ケイミーは嬉しそうに笑った。



「そうとなったら早く行ってきな!」

シャチはアイリスを席から立たせた。


「うん!」

アイリスは立ち上がった。


「ほら 船長も! “善は急げ”って言うじゃないっすか!」

「…買い出しは?」

「買い出しなら俺らに任せて キャプテン!」

「………」

ローは立ち上がった。


そして アイリスを見た。

「行くか」

「うん!」

アイリスは嬉しそうに微笑んだ。


ローはケイミーを見た。

「ケイミー屋 案内頼む」

「任せて! えーっと…」

「“ロー”だよ」

「ローちん!」

「!?」

ローは驚いた表情をした。


「ププッ………」

船員たちは必死に笑うのをこらえていた。


「ふふふ! “ローちん”だって かわいい!」

「い いいから早く行くぞっ…!」


アイリスとローとケイミーはマーメイドカフェを出ていった。



シャーリーはシャチ達を見た。

「許しておくれよ ボーヤ達」

「「「?」」」

「あの子とボーヤを2人っきりにしたかったんだろうけど…今の2人じゃ会話は続かないと思ってね…。 会話が途切れると気まずくなるだろう?」

「確かに…船長とアイリスじゃ会話が途切れそうだ…」

さすが 女性の意見…


「ケイミーが上手く会話を続けてくれればいいんだけどね…」

「………」

頑張れ 人魚ちゃん!!

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