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□チョコより甘いキスをして
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「瑠那」

「ん?」


名前を呼ばれて振り向けば、ちゅとリップ音が響いた。


「甘いな…」


不服そうに言うイタチだけど、それはこっちだ。
限定品のチョコケーキを食べていたのに、いきなり何をする。
私の至福の時間を邪魔しようものなら、いくらイタチでも容赦はしない。


「ケーキ食べてるんだから当たり前」

「…もう一度だ」

「話聞いてた?ケーキ食べてるんだけど!」

「…嫌か?」


そんな捨てられたら子犬、いや子鼬みたいな顔するな。
私がその表情に弱いのを知っていてやってるんだから、イタチはずるい。


「嫌じゃないけど、また甘いとか言うんでしょ?」

「…ん」


さっきより少し長めのキス。
口から漏れた声が色っぽい。


「甘い」

「だから…!」

「オレが言ってるのは、ケーキの事じゃない」

「え?じゃあ何?」

「お前が甘いと言ってるんだ」

「っ!」


だからイタチはずるい。










 

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