Novel Room

□Crying
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『裏』と呼ばれる電脳世界、その奥部を青いナビが足取り重く周囲を見渡していた。
(やっぱり『表』とは感覚が違うや、熱斗君とも連絡が取れないし…早く帰らなきゃ…)
頭では考えていても、歩幅は小さいままだった。見渡しながら警戒はするもの、恐怖は拭い去ることは出来ない。刹那、彼の眼前を青い火の玉が横切っていく。
(お…お化けとか…出ないよね……)
何が起こったか把握できず、ゆっくりと火の玉が通り過ぎていった先を追った。するとそこには無数の火の玉が浮遊しており、その全てはこちらに向かってきている。
「うゎぁあ〜〜!!」
瞳に滴を浮かべながらも、がむしゃらに走り出した。無情にも火の玉は彼の後を追い、速度も徐々に上がっていく。
「こっちに来ないでぇ〜!」
もはや半泣き状態だった彼の前に、漆黒のナビが見えてきた。
「あれは…ロックマン……」
ほぼ全力疾走状態だった彼に気付いた時は既に遅く、自らの上に被い被さってきた。
「ふ…ふぉるて…?」
「……いきなりのご挨拶だな、とりあえず退いてもらえるか…?」
しかし、背後から追ってくる火の玉が目に入ったロックマンは、すかさずフォルテのマントに潜り込む。
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