Novel Room

□温もり
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「ぶ…ブルース!」
強い口調で急に呼び止められる。彼はロックマンのオペレーターである光熱斗宛のメールをロックマンに手渡し、そのまま帰ろうと踵を返して間もなかった。
「どうかしたか…?」
うつむき、顔を赤くして指を合わせて多少なりとも躊躇いながらも話を切り出した。
「その…今から買い物に行かない…?」
「買い物なら今度の休みに付き合ってやる、今日は我慢しろ」
再び踵を返し、その場から立ち去ろうとした彼の腕を捉えた。
「だ…ダメ!今日じゃないと…今日じゃないとダメなの!!良いから来て!」
「なっ…おい…仕事…戻る……!!」
今日の彼の力は思いの外強く、有無を言わさず引っ張られていった。



「で…?俺を無理矢理引っ張って来たのにはそれなりの理由があるんだろうな?」
怒りを抑えながら、目の前で品定めをしているロックマンに話を降る。が、今の彼の耳には届いてはいない。
「本来ならまだ仕事があるんだからな…って!!聞いてるのかロックマン?!」
「ん〜…決めた!はい、ブルース」
振り返り、差し出された掌には一枚のチップが乗っていた。
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