フェイタン短編.1

□小さな恋人〜フェイver〜
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ハンター業を終えた私は、旅団のみんなと合流するため、仮宿に向かった。









小さな恋人〜フェイver〜










仮宿に入ると、シャルがリビングのソファに座ってローテーブルに置いたノートパソコンを触っていた。


「あれ、シャル1人?」

「あ、サヤカ。うん、まあこれにはちょっとわけがあって」

「仕事は、もう終わったの?」

「うん。仕事は終わったんだけどね」

「さすが、みんな仕事早いなー!私の出番なかったなあ」


いつも旅団の仕事優先にしてるけど、たまにこうしてハンター業がどうしても外せない時は、私が後から合流する。

フェイにはハンターなんかやめたら良いのに、なんてよく言われるけど。ま、気分転換程度にしてるわけです。

それで私が後から来た時は、必ずフェイがすぐに迎えに来てくれるんだけど…。

今日はそのフェイの姿が一向に見えない。


「シャル〜、フェイはフェイはフェイはー???」

「いやあ、そのフェイタンがちょっと問題で…」

「問題?」

「今サヤカに会いたくないって」




……


ガラッ

ヒュ〜…



「みなさん、サヨウナラ」

「ちょ!?ちょっと待ってサヤカ!早まらないで!」

「止めないでシャル!私フェイに嫌われたら生きてる意味ないもん!」

「違うんだってサヤカ!は、話聞いてー!」

「嫌だー!聞きたくないー!私に会いたくないってことは私のことが嫌いに「サヤカ!なにやてるか!?!」


仮宿ビルの15階窓から飛び降りようとする私をシャルが羽交い締めして止める。

暴れていると、なにやら下から声が聞こえたのでそこを見た。

するとそこには…


「やめるねバカ!ワタシがお前死なせないよ‼︎‼︎」


…私のスカートの裾を必死に掴んだ、小さな小さな…



「……フェ、フェ、イ…??」



私の声に、小さな男の子は困ったように眉をひそめながら、コクリと頷いた。



……




フィン、シズク、マチもみんなリビングに集まった。


「今日の仕事でね、敵の念を受けたフィンクスが小さくなったんだよ」


説明するシャルと向かい合って座った私。
の隣に座ったミニフェイ。


「で、そのフィンクスを見てフェイタンがからかって頭叩いたら、なぜか今度はフェイタンが小さくなっちゃったんだよね」

「フィンは大人に戻ってるから、触った相手に移るってこと?じゃあフェイが誰かに触ったら元に戻る?」

「て、フェイタンも考えてソッコー俺に触ってきたんだけど、結果このまま」


残念ながらフェイは元に戻れず、シャルは大人のまま。

どうやら移行されるのは1回きりらしい。


「で、俺は謎を解明しようと調べてて、みんなは部屋にこもったフェイタンを外に出させようと説得しに行ってたわけ」


あ、なるほど。
だからシャルしかここにいなかったんだ。


「でもなんでフェイ部屋にこもっちゃったの?」


隣にいるフェイの顔を覗き込むと、フェイはプイと顔を背けてしまう。

そんなフェイを見てフィンが言う。


「そりゃあ、なんか恥ずいし格好悪ぃだろ、好きな女にこんな姿見られたくねぇ気持ち、男にはわかるぜ」

「そうなんだ!?私はよくわかんないけど、でもそれならそうと早く言ってくれたら良かったのにー」

「だからすぐ説明しようとしてたのに、サヤカが早とちりするからじゃん!」

「いや〜、てっきりフェイに嫌われたのかと思って、私の命風前の灯火だったよ〜あはは」

「あははじゃねーわ!」

「ワタシがサヤカ嫌うはずないよ…バカ」


言いながら足をブラブラさせるミニフェイ。

小さいからソファに座ると足が床に着かないのだ。

みんなが説得しても出てくるの嫌だったのに、私がなにやら騒いでるのに気づいたら急いで出てきてくれたんだろうな。



なんか可愛いんですけど。
中身も、見た目も。
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