フェイタン短編.1
□わがままな王子
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誰が誰にベタ惚れだて?
そんなこと言われなくてもわかてるね。
わがままな王子
蜘蛛の仮宿で、団員たちと談笑するサヤカ。
サヤカが入団して3ヶ月ほど、こんな光景はよくあることだが。
「それでね、この人がその言ってた人でさ、すっごく面白いんだよ〜!」
サヤカは片手に持った写真を見せながら、前のハンター業であったことを話している。
サヤカは話の中心になる人物で、団員たちはそれを楽しげに聞き、会話をする。
が、ワタシは面白くない。
「でさー、こないだなんかね〜」
サヤカの話は尽きない。
興味ないふりをしてチラリと見たその写真には、サヤカを真ん中にして、元気良くピースしているアホ面したハンター達がいた。
それも半分は男。
…
「ん?どしたのフェイーー」
ーーグシャッ!
…
…間…
「うわっ、なにしてんだよフェイタン!」
「最悪だなお前、そりゃサヤカの写真だろうが!」
サヤカの手からひょいと奪った写真をグシャグシャに握り潰してやると、シャルナークとフィンが騒いだ。
「ありゃまあ」
「サヤカ、大丈夫?」
「ん?まあ大丈夫だよ、ネタに持ってきただけだしっ、また欲しかったら焼き増ししてもらえば良いだけだしね!」
「……」
チッ!
心の中で大きく舌打ちした。
サヤカと一緒写てるバカ面した男たち。
全員葬り去てしまいたい。
ーーー