フェイタン短編.1

□舌に刺青
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翌日、フィンに連絡を取ると、仮宿にいるとのことだったのでそこに向かうことにした。

当然のようにフェイも着いて来た。


仮宿にはフィンと、シャルもいた。


「やほフィン、シャル」

「よおサヤカ」

「やあサヤカ、一昨日ぶりだね」


シャルの言葉にフェイの眉がピクリと反応した。


「…なぜシャルナーク一昨日会たか」

「え?ほらプロハンターの仕事だよ」

「そうそう、俺たちプロハンター仲間でもあるから、会う機会が多いんだよ。ね、サヤカ」


にこやかに答えるシャル。

気のせいかさっきよりフェイの眉間のシワが深くなってる気がする。


「そういえばさっきちょうど信長から連絡があってさ、良かったらこっちを手伝わないか?って」

「そうなんだー、あっ、私やるよ!やります!新人だし下っぱだしなんでもやりまーす!」

「…蜘蛛にしたぱとかないね」

「でも私をスカウトしてくれたフェイのためにもがんばらないと!」


自分のために、というのが嬉しかったのか、フェイが私の頭をなでなでした。


「サヤカ行くならワタシも行くね…」

「ほんと?フェイと一緒なら鬼に金棒だねー!」


瓦礫にフェイと2人腰を下ろす。
フェイは本を出して読み始める。


「…サヤカたちって、いつもそんな感じなの?」

「?うん、そうだよー」


フェイは私と手を繋ぎながら、片手で器用に本のページをめくっている。


「あ、でも大体私がいつの間にか寝ちゃってるんだけどねー、フェイの膝ってすごく寝心地良いんだよ!」

「…胸焼けしたきたぜ」

「わかるよフィンクス…」


なぜか遠い目をする2人。


「そういやサヤカ、なんか俺に聞きたいことあるっつってただろ?」

「そうそう!そうだよ、肝心な話なんだよ」

「なんだ?」

「2人にねー、フェイの蜘蛛の刺青の場所教えてほしいんだ!」



……


「…俺は知らねえぞ」

「俺も知らないなあ」

「え…えー!?」


嘘ー?!


「だって2人ともフェイと付き合い長いし、絶対知ってると思ったのにー!」

「付き合い長くてもそう裸見る機会ねえからな」

「はは、見てたら男同士で気持ち悪いよ」


そ、そうなんだ。


隣のフェイをチラッと見ると、してやったりという顔をしていた。


くそぅ…みんな知らないんだ。
だからフィンに聞くって言っても余裕だったんだなあ!
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