フェイタン短編.1
□小さな恋人
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「ん…んん?」
「?どした」
「なんか、よくわからないけど体が熱い気がする…」
「なんね、体調悪く……」
……
!?!?!?
サヤカが不意にワタシの視界から消えた、と思い視線を下にずらすと、そこには…。
「あれぇ??なんか急に机がおっきくなっちゃった」
「ち……ちが…」
「ん?あれ?フェイはそのままだね、あっ、私以外がみんなおっきく」
「違うねサヤカ‼︎お前が縮んでるね‼︎‼︎」
「…へ?」
突然サヤカが縮んだ。
しかもかなり。
5.6歳じゃないか?というくらい小さくなってしまった。
ご丁寧に着ていた洋服まで。
「ただいまー」
「あ、おかえりシャル」
「ただい……」
こっちを見たシャルナークが固まった。
「……もしかして、サヤカ…だったりする?」
「うん」
「もしかしてあのシュークリーム食べたの!?」
「うん」
「シャルナーク…どゆことね、なにか知てるのか」
はあーと項垂れるシャルナーク。
やっぱりあれは得体の知れない危険な物だったのか。
「あれは俺の仕事で、依頼者から預かった物なんだよ。子供になる特質系の念能力が込められたシュークリームなんだよ」
「…なぜそんな厄介な物入れといたか」
「えっ、でも俺ちゃんと触るなってメモしといたけど…」
冷蔵庫を見たシャルナークがあっ、と言い箱に貼られていたはずのメモを見せた。
そこには子供になる作用の含まれた食べ物、触るべからず。
…と書いてあった。
「剥がれちゃってたみたい、ごめんごめんーあはは」
「笑て許される思うか…」
「ちょっと待ってよ、こんな中途半端な数の、しかもシュークリームなんておかしいと思わなかったの?」
「だって美味しそうだったんだもん…」
「うん、可愛いからサヤカは悪くない!フェイタンの監督不行き届き!」
「なぜ私ね」
「フェイタンはおかしいって感じてたのに、どうせサヤカにお願いされたら断れなかったとかじゃないのー」
「…う」
腹立つなコイツ。
確信突いてて反論できないからかなり腹立つ。