フェイタン短編.1

□嵐の夜
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「フェイの服はねえ、ちゃーんと夏用冬用があって、生地が違うんだよ〜ん」

「へえ、そうなのか」

「なるほど。意外と凝ってるんだね」

「当然ね、年中同じ服着られるか」

「しかしそれにしても今は暑いだろ。黒っくて見てても暑苦しいしよ。上着くらい脱いだらどうだ?」


フィンの脱いだらどうだ発言に反応した私はパッと起き上がる。


「そうだよフェイ!上着脱ごう!暑いしそれが良いよ、うん!」

「?なに急に。サヤカの顔が生き生きしてるんだけど」

「つか自分で座る力ないんじゃなかったんかい!」

「……ま、確かに暑いね」


そう口にしてフェイは徐にスカル上着を脱ぐ。

その下には袖なしのチャイナ。


……ああっ!!


「はぁああ〜〜!フェイの二の腕〜!上腕二頭筋〜!」


露出されたそれを抱きしめ、頬をスリスリさせる。

そう、私の目当てはこれ。

ああっ、この感触、たまらないー!


「はいアウト!それはもうぜってー暑いだろ!暑苦しいから離れろ!」

「残念でしたー!フェイは私よりだいぶ体温低いからむしろ冷たくて気持ち良いんだもーん!」

「…でもそれってサヤカは良いけど、フェイタンは暑いんじゃない?」


……ハッ!!


「ほ、ほんとだ!そうだよねシャルの言う通りだよ!ごめんねフェイ、暑苦しかったよね!」

「…別に、良いね。暑いの平気よ」


焦って体を離した私に、ほれ掴まれと腕を出すフェイ。

お言葉に甘えてそれに飛びつく私。


「…っはぁああーん!フェイ優しいー!!大好きー!」

「ぬああ!暑苦しいー!!」

「暑苦しいのはフィンの方だよ。どう見てもフェイや私より分厚い体型してるじゃん」

「体型は仕方ねえだろ!動作と一緒にすんな!」

「フィンは動作も暑苦しいね」

「うん」

「お前らなあ…!」

「フィンクス、あんまり怒ったら余計に暑くなるよ。どうどう」

「俺は闘牛か…」

「強化系は大抵闘牛ね」

「あはは!あ〜…でもほんと暑い。早くエアコンつかないかなー」


胸の部分の布をパタパタさせる。


「…サヤカ、あまりそこパタパタするないね」

「んー、でもここが1番暑いんだよね。谷間に汗溜まるし、気持ち悪い〜」

「谷間とか言うないよ!」

「いやもうほんとに、これは女子にしかわからないよ。ね、シズク、マチ!」


言うと私の斜め前に座っているシズクが同意してくれる。


「わかるよ、気持ち悪いよね。痒くなったりするし」

「シズクは巨乳だもん、私より大変だよね!」

「サヤカだって大きいじゃない」

「あはは、シズクほどじゃないよー!」



という会話に入って来ない約1名。


「……良いな2人とも」

「…ん??どうしたのマチ?」

「私にはそんな悩みない…」



…しまった!
彼女は貧乳だった!


「大丈夫だよマチ!その辺の需要もちゃんとあるから!ヒソカとか!」

「ありがとう、なんのフォローにもなってないけど」

「大きすぎたら肩凝るし大変だよ。可愛い下着ないし」

「…ありがとうシズクまで」

「サヤカくらいがちょうど良いよね。形もきれいだし、下着も可愛いし」

「えっ!は、恥ずかしいよシズクー!」

「うん、もう良いから黙りな2人とも。男衆が聞き耳立ててるし」


ボキボキとマチが腕を鳴らす。

フィンとシャルは聞いてなかった風にとぼけて目を逸らす。

フェイは女同士の話なので、どう乱入して良いかわからなかった様子だった。

わはは。
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