フェイタン短編.1
□嵐の夜
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しかしほんっとに暑い。
たまらずスカートをバタバタさせる。
「ちょとサヤカ、やめるね!」
「大丈夫だよーパンツ見えない範囲でするから」
「パンツだけの問題違うね!」
フェイに指摘されたかと思うと、突如私の視界が赤くなった。
これは、フェイの隠し刀が仕込んである傘。
上着脱いでるのに一体どこから出したのか?
それはまた今度じっくり聞いてみよう!
「ハァ…これで見えないよ」
「わーい、ありがとうフェイ」
傘で隠されて盛大にスカートをバサバサする私。
あー、ちょっと涼しい。
「…お前、ワタシ以外にきわどい部分見せるないよ」
「えっ!きわどくないよ全然、さっき太腿くらいしか見えてなかったよ?」
「太腿ダメね。パンツなんか言語道断よ」
「誰もそんなとこ見てないよぅ」
「ダメと言たらダメね。ワタシの言うこと聞けないか」
そう言ってフェイは自由になる方の手で私の太腿を撫でた。
「なら今ここで触てやるね」
「っ!ダ、ダメだよ…」
「そんなスカート広げて誘てるね」
「こ、これは暑いから…。それに、フェイはこんなとこで、し、しないもん…」
フェイの思考ひとつで空気が変わる。
太腿にやった手を私の顔に持って行き、指で唇をゆっくりとなぞると、妖しい笑みを浮かべながら言う。
「…さあ、獣に理性ないからね、わからないよ…?」
…
ーーーああ
ああっ
あああっっ!!
フェイの色気が…
やばい、あ、眩暈が…
もう良い。
今すぐ犯されても良いくらい格好良い。
むしろこんな獣になら進んで犯されたい。
ゲダウェイ外野!
「ダアアアアアアーーー‼︎‼︎‼︎」
バキーン!
「あ!あーあ、フェイの傘が」
「なにするか眉なし」
「なにするかじゃねえええ!今お前ここでなにしようとした‼︎‼︎この変態がああああ!」
フィンの本気の握力により、きれいに折れた傘。
あーあ、女王蟻の時新しくしたばっかりなのに。また新調しなくちゃいけないじゃない。プンプン。
「ああ、あちぃ…ツッコミすぎてあちぃ」
そんなに疲れるならツッコまなければ良いのに。
「だー、もう無理!」
急にガバッとジャージを脱ぐフィン。
現れたのは筋肉隆々のムキムキボディー。
「…うへ〜やだー、暑苦しい〜…」
「やめるねフィン、サヤカ嫌がてるよ」
「俺は悪くない!」
「乳首見せたぁ〜セクハラだぁ〜」
「セクハラやめるね闘牛」
「もう泣こうかな俺」
せっかくスカート扇いでちょっと涼しくなってたのに、また暑くなって来た。