フェイタン短編.1

□小さな恋人〜フェイver〜
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「それで、どしたら戻るかわかたか?」

「1週間ほどで戻るらしいよ」

「1週間…長いね、嫌すぎるよ」

「でも私が小さくなった時より短いし、1週間くらい良いんじゃない?」

「嫌ね…。早く戻りたいよ、除念師探すね」

「言っておくけど俺は探さないよ?今回の件は、子供になったフィンクスをからかったフェイタンが悪いんだからな」

「!ワタシ悪くないよ。雑魚の念受けたまぬけなフィンのせいね」

「だからって頭叩いたのはフェイタン自身だろ」

「!〜っ…」


シャルの無慈悲なお言葉に、フェイはムウゥ〜と睨みを利かす、が。


「あはは!小さいからぜんっぜん怖くないもんね!」

「ぎゃはは、確かに。俺をからかうからこんな目に遭うんだぜ、たまには良い薬だ!」

「やめろよ2人とも、子供じゃあるまいし」

「うるせえよマチ、男はいくつになってもガキなんだよ!あ、今ガキなのはフェイだけだったなあ?」


フィンがフェイに近づき、頭をガシガシ撫でる。


「ようようフェイ〜、肩車してやろうかあ?うん?」

「キャンディ食べるフェイタン?」


だははー!とそれはそれはとても楽しそうにフェイをからかいながら笑う2人。

フェイは屈辱に耐えながら怒りに体を震わせているけど、どうやら小さくなってる間は念が使えなくなるらしく、オーラも出てこない。


「ちょっと2人とも、フェイが念使えないの良いことに、やめてよー」

「良いんだよ、こんな機会滅多にないからな!」

「嫌がってるじゃん、かわいそうだよ」

「ないないかわいそうなんて!ほらほらフェイタン、ミルク飲むー?」

「ちょっと本当にやめ…」

「ぎゃはは!幼児は乳が恋しいよなあ!」







「女神の審判」







「ぎゃ、ぎゃあああー!!」

「な、なにこれ、ち、力が抜け」


私の発により対象者2人、フィンとシャルがいばらの蔓に体を巻かれ体力を奪われる。


「うふふふふふふふふふふ」

「や、やめろサヤカー!!」

「うふふふふふふふふふふ」

「も、もうしないから!フェイタン虐めないから!」

「お、俺もしないと誓う!」

「あらそう…」


女神の審判を解除すると、その場に2人が倒れた。


「ひ、ひでえ脱力感が…」

「なんか疲れた…」

「私の大切なフェイを虐めたらどうなるかわかっていただけましたかしら…?」

「「…ハイ」」


まったくこの2人は。
ほんと困ったちゃんなんだから、プンプン。


「もう大丈夫だからね〜フェイ」


頭をなでなでしてあげる。

いやあ、本当にちっちゃくなっちゃって。

ご丁寧にスカル服まで縮んで。

フェイが子供の頃ってこんなんだったんだろうなあ。

…もっとよく見たいな。


「…フェイ、お顔、よく見せて?」


フェイのマスクを下げると、ちゃんと顔が見える。

いつも白い肌が、子供らしくちょっとモチっとしてる。

可愛くってその頬を人差し指で押してみると、フェイはビクッとして立ち上がり、ささっとソファ裏に隠れてしまった。


「ああっ!ごめんねフェイ、嫌だった!?」

「〜〜っ…」


ソファ裏を覗き込むと、プルプル震えているフェイ。

その顔は隠れて見えないけど…耳が赤くなってる。


あ、嫌なんじゃなかったんだ。
…恥ずかしかったんだ?




「…あ〜〜フェイ出てこないからみんなでなにかして遊ぼっかー?」

「…!」


わざと大きな声でそう言ってみると。





…ひょこっ…





「……サヤカ、ワタシ、も」


ソファから遠慮がちに顔を覗かせたフェイ。





ああ
ああ

あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


「ガワイイイイイイイイイイー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


すんごい勢いでフェイに飛びついて抱きしめて、そのままゴロゴロ床を転げてガンッ!と壁に激突して止まった。
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