夢小説長編「ハピネス」(完結)
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「よぉ!」
「沙奈日本酒熱燗でくれ。」
「はーい」
ゲンマさんに至っては既に呼び捨てで呼んでるし。
「どーだ?カカシとの同棲は?」
「どーだ?と言われても…。
私ただの同居人ですし。」
「しかし、カカシさんもこーんな可愛い子に手出さないとか有り得ないですよね?」
「病気持ちか?」
「誰がですか?」
「沙奈が。」
「ゲンマさん帰って下さい」
「あ、怒った?」
「当たり前です。病気なんて貰った事ありません」
「……ほぉ…。別に性病とは言ってもネェがな…。」
ゲンマさんは口が旨いというか…見た目もそうだけどホストみたい。
「お前…花魁だったのか?」
「違いますけど…飲み屋のオネーチャンです。男の人にお酌したりデートしたり」
「寝たり?」
「仕事の為なら…ね。
でも、ここに来たらそんなのバカバカしいと思えて」
携帯も無い、パソコンも無い…車すら走ってない。
「帰りたくねぇのか?」
「分からないんです。何でここに居るのかも…。自分の中に帰りたいと願う自分が居ないんです。
…待ってる人も居ないですし」
「どんな状況でこうなったのかも思い出せないの?」
「お客様と店が終わった後…デートをするのに準備してた気がするんです。そこからは……気付いたらこの世界にいて。」
「刺し傷、切り傷があったのは?」
「……って事は誰かに殺されそうになってた?」
……誰か?
誰に??
誰と争ってた?
思い出そうとすると記憶にフィルターがかかる。
「悪りぃ。根掘り葉掘り聞いちまって」
「いいえ…。仕事に戻りますね」
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