夢小説長編「ハピネス」(完結)
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カカシがこんなに人に執着すると思って居なかった。
ゲンマさんも…紅姐さんも言ってた【カカシは大事な…大切な人を作るのが怖い】
今までだってそういう女は居たはず……。
私たちはお互い知らない事が多すぎる。
『素直に甘えて欲しいだけだヨ…』
「だから甘えてるって」
『オレはもうちょっと…こう…』
「カカシ…私充分甘えてるから大丈夫だよ?」
『……。』
「………。」
カカシは大きなため息をつき歩き出した。
この世界で生きると決心した矢先にこの有様。
「…私が悪いなら謝る」
『その言い方だとオレが悪いみたいだよネ?』
「そんな事言ってない!
何で分からないの!私はちゃんと一人でも生きて行けるようになりたい!それだけだよ?
いずれ…カカシだって私の事が重荷になるかもしれない!
オレのせいでこの世界に残したと思われたく無い!
確かにカカシと一緒にいたいから…この世界に残ってるの。でもそれだけを理由にして生きたくない!」
道行く人々は大声を出す沙奈を奇異の目で見ている。
『…もう良い…帰るヨ』
結局お互いシコリの取れないままアパートへと着く。
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