夢小説長編「ハピネス」(完結)

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『沙奈…。
オレのせいだよネ…』



「良いよ…あの人の所に行っても」



『行かない。オレが行くと思う?
沙奈がこの世界に残ってくれて一番喜んだのは…嬉しかったのはオレだよ?』




「写真…大切に取ってあるんだね」




『……あれは…』




「責めないよ…カカシだって忘れられない人がいたって不思議じゃないもの」




カカシに背を向けたまま窓の方を向き話を続ける沙奈。




「私にだって先生が忘れられなかった人だったし、カカシだってあの人が好きだったんでしょ?
綺麗だものね…良い匂いがして…守りたくなるような…。」




『沙奈…。こっち向いて』


「イヤ…。」



『沙奈!』



カカシが沙奈の肩を掴み自分の方に引き寄せる。



「イヤ!!
見ないで!!見ないでよ!!
こんな嫉妬の塊のあたしなんて見ないで!醜い!」



ボロボロと大粒の涙を流しながら震える沙奈。




『…どんな沙奈でも好きだから。醜いなんて思わない』





「嘘!あたしは…嫉妬なんてしないって自分で言ったの!
なのに……それなのにイヤなの!
カカシからあの人の匂いがするのも、写真がまだ取ってあるのも!
腕を掴まれるのも!触られるのも全部イヤなの!
あたしのカカシだから!!」




『……沙奈…。
ヤキモチ妬いてたの?』




カカシは沙奈を強く抱き締め頭を撫でながら沙奈を落ち着かせる。





『オレが、BARで働いて欲しくない理由も分かる?
一緒だよ…他の男になんて触らせたくない。
例えそれが仕事だとしてもイヤなんだよ…。』



「……私は浮気なんてしない…」



『オレそんなに信用ない?
オレも沙奈しか居ない』



「綺麗なくノ一いっぱいいるし…。私はこんな魅力ない身体になるし…イヤでしょ?」




『あのね…沙奈…。
さっきも言ったよね?オレはどんな沙奈でも好きだから。』





「……。」




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