夢小説長編「ハピネス」(完結)

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起爆札が勢い良く爆発し神社と祠が燃え盛る。




「…………。」


唇を無意識にだろうが血が滲む位に強く噛み締める沙奈。





もうどう足掻いても、願っても元の世界には帰れない。



「ありがとう。サクラちゃん、ナルト君、サイ君」



3人に別れを告げ沙奈と森の中を歩く。
辺りはもう暗くなっていた。




「さて…。
カカシお腹空いてる?」



『いや…あんまり』



「そっか…。じゃあどーしようか?」



『買い物って言ってたけど何か欲しい物が有ったの?』



「ん?ううん…。ただカカシと色々な場所行きたかったし。
最初から祠を壊すって言ってたら反対されそうだったから」




反対などする訳が無い。

沙奈にこの世界に居て欲しいと一番に願ってるのがオレなのだから…。



『お酒飲みに行く?』




「良いの?」





沙奈を連れて色町街へと足を運ぶ。




初めて見る花魁の姿や店に興味津々な沙奈。




色町街の外れにある小さなBARへと連れて来た。




「あら…今日は珍しいのね。女の子連れて来るなんて」



40過ぎの女バーテンダーが仕切る小さなBAR。




『ん…うん…。いつもの頂戴』




「じゃ、カカシと同じ物下さい」




「……ふぅーん…。今までのタイプと違うわね…」




『…そーいうこと言わなくて良いからお酒用意して』



店内を見渡す沙奈。



「お客さんいないんですね?
ちょっと淋しくないですか?」



「年喰ってるバーテンダーに会いに来るのなんて変わり者か、常連の客だけよ。」



「カカシ常連なんだ?」



『ま、そんなとこ。
煩く無いからユックリ飲めるし』





「私を雇ってくれませんか?」



「……無理だわ…あんたみないな小娘。この街はね色々特殊なの。
客の半分以上が忍だし。
あんたみたいなのは客に喰べられて終わり」



「……そーですか…」





オレがここに連れて来た理由は…。BARで働きたいという沙奈に現実を見せるため。




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