夢小説長編「ハピネス」(完結)

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『おやすみ』



「おやすみ」




安心してグッスリ眠りにつく沙奈。



抱き締める身体は青白く細い。



カカシに抱き締められ丸くなり眠る沙奈は猫みたいだ…。






沙奈が朝目を覚ますと既にカカシは居なかった。










「あの頃と変わらず毎日来てるのね…」



慰霊碑の前で佇むカカシに声を掛けたのはアキ。



『アキ…。謝るよ。
オレが悪かった…待ってるなんて軽々しく口にしたオレが悪かったよ。』




「最低な男…。」



『悪かった』




「私たち戻れないの?」




『アキ…オレはやっと何が大切か見つけたんだ。
もう逃げたくないんだ。』




「…カカシ。あなたきっとまた私みたいにあの子を傷付けるわ。
1人の女に留まる様な男じゃないもの」



『そうかもしれない…。でもオレは…』



「もう良いわ…私はあなたの事が好きだからいつでも戻って来てくれて良いから」




長い金髪を靡かせて去って行くアキの後ろ姿を見つめるカカシ。



もう沙奈を傷つけたくはない。









「ん〜もうお腹いっぱい!」



「沙奈〜もうちょっと食べなさい!」



病室にはアンコと紅が見舞いに来ていた。



「今時、栄養失調ってカカシは何してたのよ?」


「カカシは悪くないです。」



「団子いっぱい食べたらすぐに元気になるから!!」



ドン!とベッドの脇のサイドボードに団子の山を置くアンコ。




「ねぇ沙奈。カカシと付き合ってて辛くない?」



「……私…カカシが好きです。
だから言いたい事とか素直に言えなくて自分の中に溜まっちゃって。でも昨日、本人に全て吐き出したらスッキリしました!」



「な、何言ったの?」



「え……っと…。内緒です。」



「あ!ねぇ退院許可が出て沙奈が元気になったら飲み会しよ!」


「良いね〜!だから早く元気になりなさい!!」



「それって…アンコさん達が飲みたいだけじゃ…。」






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