捧げ物
□ブラコン夢 雛菊様へ
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大切な日には好きな人のそばに。そう思うのは当たり前だろ?
「誕生日おめでとう、雛菊。好きなもの食えよ。」
「ありがとうなっくん!」
今日は雛菊の誕生日。そんなわけで俺は雛菊とディナーを共にしている。こうして雛菊を外に連れていくのに大変苦労した。椿と梓のしつこい邪魔を振り切って振り切って振り切ってやっと出来た。(ちなみに代償として椿と梓に酒を好きなだけおごることになった。)
雛菊が俺たちの妹になってもう半年も過ぎた。
雛菊を妹として見れなくなっていく。
雛菊はこの事を知ったら、どう思うだろうか。
「なっくん!なっくんってば!!」
「っ!悪い、雛菊。なんだ?」
そんなことを考えていたら雛菊の声に呼び戻された。
「もう…。さっきから何度も呼んでるんだよ。」
「すまん。で、何だ?」
まさかお前の事を考えていた、なんて言えず話をそらす。
「デザート何にする?」
「もういいのか?もっと食っても大丈夫だが…」
「これ以上食べたら太るの!」
「そこまで太っているとは思わないが…」
思ったままを口にすると雛菊は口を尖らせた。
「なっくんは細いからそういうことが言えるの!!…良い体してるよね」
「それはセクハラだ」
そう言うと雛菊はあはは、と笑った。
その笑顔を見ると、自然と頬が緩む。
「雛菊」
「ん?なに?」
「お前が好きだ」
「#★○&#!?」
「つきあってくれ」
我ながらもうロマンチックにできないものかと思った。だが言ってしまったものは仕方ない。
真っ赤な顔をして雛菊は言った。
「私は──」
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