ブラコン夢
□新たな出会い
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《絵麻ちゃん視点》
(確か…今日だっけ、早坂さんの三姉妹さんが来る日…)
学校からの帰り、私はそんなことを考えていた。本当は侑介くんと一緒に帰りたかったけど…侑介くんが補習じゃしょうがないよね。
「あれ?妹ちゃん。お帰りなさい。」
「要さん、ただいま帰りました…ってなんだかボロボロですよ!?どうしたんですか?」
要さんの袈裟は所々ほつれて、泥が付いていた。この辺で転んだのかな…
「ハハ、まあちょっとね…。それより、ゆーちゃんは?」
「侑介くんは、えっと…、補習…です。」
何となく、口ごもってしまった。勝手に喋っちゃってゴメンね侑介くん…
「相変わらずだねぇ。…っとまだ寒さも残るし、もう中に入ろうか。三姉妹ちゃん、もう着いてるってさ。」
「え!本当ですか?ご挨拶しなくちゃ…!」
「俺も挨拶しなくちゃね」
「え?要さん、まだお会いしていないんですか?」
「うん。まだ一人にしか会ってないよ」
「一人…ですか?」
「うん。多分、一番下の子じゃないかな?カワイイ子だったよ」
「わあ…楽しみです!」
どんな子なのかな。仲良くなれるといいなぁ…。
そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。
「あれ〜?かなにーと絵麻じゃん!!ぐーぜんだな!今帰り?」
「ただいま、かな兄、絵麻。」
「あっ…椿さん、梓さん!」
振り返ると、椿さんと梓さんが仲良く並んでこちらに向かっていた。
「確か今日だったよな〜、女の子が来る日!!オレ、ちょー楽しみ!」
「椿、はしゃぎ過ぎだよ。絵麻がひいている」
二人も三姉妹さんたちの事が気になっているようだった。
「っと、ワリィ!!遅くなった!!」
「あ、侑介くん!」
そこへ侑介くんが走ってやって来た。
「おせぇぞ侑介〜。また補習かよ〜」
「椿。侑介の頭が悪いのは今に始まった事じゃないでしょ。からかっちゃかわいそうだよ」
「あず兄の方がひでぇよ!?」
「やれやれ、相変わらずだねぇ。ゆーちゃんは。」
「そ…そろそろ行きましょう!ほら、侑介くんも!」
私はこれ以上争いが激しくならない内に、移動することにした。
どんな子たちなのかな…楽しみだな!